母とバレン

実家にバレンタインというでかい犬がいる。
もうすぐ17歳の超老犬だ。

昨日、母から電話が有り、
「バレンが死にそうで病院に入院している」
「病院では死に目に会えないかもしれないから自宅に連れ帰るべきか、このまま入院させるべきかわからない」
「苦しむようなら安楽死させるべきか」

と言ったことを相談された。
僕が答えを出すことはできないし、母は十分客観的かつ冷静に判断できそうだったので、とりあえず話だけ聞いた。

今朝、仕事を休んでバレンに会ってきた。
もう意識が無く、呼びかけに反応することも無い。水分のみの点滴で痩せ細っていた。

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我が家では僕が小学校6年生の時から、盲導犬の赤ちゃんを1年間育てるボランティアとして犬を飼い始めた。
はじめはマーシュ。イエローのラブラドール。
2頭目はカーディフ。ブラックのラブ。
3頭目はレントン。ブラックのラブ。
そして4頭目がバレンタイン。イエローのラブ。
盲導犬協会から仔犬を借りて1年間育て、1年後に盲導犬協会に返却する、という形式だ。実際には厳しい訓練の結果、盲導犬になれるのは3割ぐらい。残りの7割は別の運命を歩む。
運よく、マーシュ、カーディフ、レントンは盲導犬として人さまの役に立ったようだ。
しかし、バレンは盲導犬にはなれなかった。その代わりブリーディング犬(種犬)としての使命が与えられた。ブリーディング犬であれば盲導犬協会に返却せずに自宅で飼う事ができ、ブリーディング犬としての使命を全うした後は盲導犬協会から買い取り、自分の犬として一生面倒をみることもできる。
こうしてバレンは正式にうちの犬になった。

誕生日は2001年2月14日。僕が高校1年生の時だ。
盲導犬の仔犬は頭も性格も良い。バレンは特に好奇心旺盛で、家族の名前もよく覚えていた。
「お父さんを起こしてきて」と言えば父の寝室に向かい、「ススムくんにあげて」と言っておもちゃをくわえさせれば弟のもとへ届けた。家の中ではやんちゃでも散歩中はお行儀よく歩く。本当に人間の気持ちをよく察してくれる犬だった。兄弟喧嘩の仲裁もバレンの役割だ。

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僕の大学は寮だったので、実家には時々顔を出す程度になった。
兄は結婚し、家を出た。
弟も結婚し、家を出た。
同居していた母方の祖母は3年ほど前に亡くなった。
同じく母方の祖父は先日亡くなった。

3世代で暮らしたあの広い家に残されたのは両親と犬だけになった。
僕にとってバレンは「実家のでかい犬」だけど、母は僕が感じる寂しさ以上の何かを感じているかもしれない。
子供が独立し、親が亡くなり、飼い犬が亡くなることは寂しいけど、それだけ自由になっている、とポジティブに捉えて自分の人生を楽しんでくれたらいいなあ。

御岳で凄いクライミングを見てからベースキャンプの忘年会

土曜日は久し振りに御岳。
昔触った「蛙」(三段)の完登が目標だったけど、どうもしっくりせず敗退。最近、充実したトレーニングが出来ていて期待していただけに残念。
それと初めて「肺魚」(二段)も触ったけど、これも登れず。どちらも今シーズン中に登りたい!

忍者岩はいつも僕を鍛えてくれる岩です。
初めての1級(忍者返し)も、初めての初段(子供返し)も、初めての二段(ニンクラ)も、初めての三段(蟹)(現二段+)も忍者岩。初めての四段も忍者岩で登りたい!

なんて思っていたら、ひょろっとした女の子がゆるゆるっと蟹虫を完登。
休む間も無くニンクラ、蛙を完登。

彼女に神を感じた。
無邪気に喜ぶでもなく、変にカッコつけるでもなく、ただ岩を登る。
蟹虫のマントルの粘りと最終的な処理なんてマジで感動した。
蛙は流石に無理だろうと思ったらオリジナルムーブでアンダーとって足ブラでリップに飛びつき何事も無いようにマントル。三撃。
ニンクラはチッペが出来ない最後のムーブをさらりと解決。完登。二撃。

何を考えながら登っているのだろうか?
僕はいつも「登りたい」と思いながら「未来に登るための方法」ばかり模索し目の前の課題に対して全力を尽くせていただろうか。理屈をつけて努力を後回しにするのは簡単だ。

もう努力の後回しはしない。
目の前の課題に対して真摯に挑む。

夜はベーキャン入間の忘年会。
たまたま駅でユージさんと合流し、そのまま店に入ったらサチさんとか(御前岩開拓の)ノブさんなんかと同じテーブルへ。雑誌やウェブでは出てこないようなエピソードを色々聞くことができました。

僕がやっていることのレベルは低いけど、登りたい気持ちとか、登れた時の充実感とか、そこへ向けてのプロセスなんかはどんなレベルでも同じように楽しめる。僕が彼らのレベルに到達する日は来ない事は知っているけど、同じ延長線上に彼らが居る事を改めて感じた。

さあ、楽しくなってきたぞ!

夫婦で仲良く「ポコチン大魔王」と「虎の穴」を登った

城山・城山・城ケ崎の3週間でした。
この3週間のマスト課題だった「ポコチン大魔王」(5.12d)と「虎の穴」(5.13a)を登りました。
特に「虎の穴」は5年以上前からの宿題なので登れてホッとしています。(僕の完登動画

なのですが、凄いのはチッペ。なんと、チッペも両課題とも登っちまったのです!(チッペの完登動画
これは誰も予想していませんでした。2人とも「今シーズンかけて…」ぐらいの予想だったと思います。
と言う事で帰路の電車でプチ乾杯!



ですが、素直に喜んでいるわけにもいきません。

僕は2年ぐらい前から
「ま、本気出せば5.13後半ぐらいは登れるし。と言うか、5.14も打ち込めば登れるし。」
と豪語していて、それと同じ感覚でチッペも、
「私だって本気出せば5.13登れるし。」
と言っていたわけです。

「ポコチン大魔王」と「虎の穴」を登ることで僕はやっと、本気トライの挑戦権を得たのに対し、チッペは夢を叶えてしまったのです。
それも僕とほぼ同じ便数で。なんてこった。

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なので、僕も心を入れ替えて目標課題に取り組みます。
城山では「リキッドフィンガー」(5.13d)。
城ヶ崎では「スプラッシュ」(5.13c)。

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ところで、城ヶ崎シーサイドは僕が最も好きな岩場の1つです。
学生時代に一番通った岩場で、まだクライマーとして半人前の僕たち夫婦を一人前に育ててくれた岩場です。
医師国家試験の参考書を持って通ったり、大学卒業の直前に「パンピングアイアン2」を登ってグレード更新したのは良い思い出です。
結婚式のオープニングビデオも城ヶ崎で撮影しました。(←面白いから見てみて!)

学生時代はアクセス問題なんてほとんど意識したことも無いし、岩場は登れて当然だと思っていました。
キャデラックランチの崩壊、御前岩の再開拓などを知って、今、僕たちが岩を登れることはとても有難いことなんだなぁと実感しています。

これからもシーサイドエリアが明るく楽しく厳しい岩場としてクライマーで賑わい続けることを願っています。

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野外ファーストエイドの医師向けコース5日間を受講した

WMA(Wilderness Medical Associates)のWALS(Wilderness Advanced Life Support)コースに参加しました。
前日のドクターミーティングと合わせて6日間の濃厚な時間を堪能して、今でも現実世界に戻れずにおります。



去年、チッペが参加した時には興奮気味に帰宅しWALSの素晴らしさをずっと語り続けていて、その後、関係者の人脈が一気に広がっていくのを見ていたので、今年は僕も必ず参加しようと決めていました。
結果、参加して本当に良かったです。

メインイベントは夜間の大規模シナリオトレーニング。(上の写真は状況開始前に士気向上を図る受講生たち)
傷病者16名に対し、救助者15名で対応しました。意地悪な設定がいっぱいあってアドレナリン大放出系です。個別の傷病者の緻密さやリアルな処置が必要になるのはもちろんなのですが、僕が最も関心したことは与えられた状況への対応の自由さ。
今回は情報共有ツールとしてLineを駆使しました。また、携行薬剤も自分たちで準備できます。どんな方法で傷病者数を把握し、どうやってトリアージし、どうやって対処し、どこに集め、いつ誰を搬送するのか、全て自分たちで決められます(もちろんヘリが飛ぶかどうか救急車が来るかどうかは神様が決めます)。

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こんなに自由度の高いシナリオトレーニングを提供するWMAはすごいなぁ、と思うのですが、実はこのシナリオを成立させられる受講生もかなりすごい気がします。
ありがたいことに僕はリーダー役をやらせてもらったのですが、他の受講生がしっかりとフォロワーシップを把握し、それぞれやるべきことを認識して動いてくれていたことが大変ありがたかったです。全ての受講生に高い意識が有り、これまでも何らかの形でトレーニングを積んできた証拠だと思います。

だからこそ、WALSでは「お作法の強要」のようなことは全くありません。それぞれの受講生がこれまでに習ってきたことが尊重され、ディスカッションを通じて「本当に必要なことは何か」を考えていくというスタイル。僕にとっては非常にエキサイティングな時間でした。(逆に野外救急、災害医療、ALS、JPTECなどに慣れていない人にとってはついていくのでやっとという感じになってしまう気がするのと、WALSで習う事がスタンダートだと勘違いしてしまう気がしてそれはちょっと問題もあるかなと思ったりしました。またWALS以外のコースがどんな感じかも興味有り。)

また、今回の受講生はトレイルランナーが多かったこともあり早起きしてみんなで近くの山まで走ったりもしました。夜の自主練も充実し、本当に楽しい毎日でした。

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僕がWALSに参加した目的は自分のスキルアップはもちろんですが、野外救急に携わる方々と顔の見える関係になることも大きな目的でした。
と言うのも日本登山医学会が認定する山岳医の弱点は野外救急だと考えているからです。山岳医は登山技術が不足していて不合格になることはあっても、傷病者対応能力についてはほとんど問題にされません。山岳医は野外救急に関する自己研鑽に努める必要があります。一方、登山医学会は登山医学に関する専門的知見をWMAなどの他団体に供給するべきでしょう。
日本の山岳医療を発展向上させるためには、同じ方向を向いている人たちが組織の垣根を乗り越え、お互いに切磋琢磨し協力できる関係にあることがきっととっても大事な事だと思います。

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Thanks, D.J.
I spent great days !

瑞牆で「普通の日」を登った…のか?

日曜日は瑞牆でボルダリング。
チッペがトライ中の「普通の日」(初段)の応援。
この課題は左からトラバースして右からスラブを登る人気課題なんだけど、こんな登り方もできるらしいぞ!
な、なんと!スタートもゴールも使用しているホールドも全く同じ!

https://youtu.be/l3VkM2hBY_U←普通の「普通の日」

https://youtu.be/DqmtIJObGtI←普通じゃない「普通の日」

「この登り方では『普通の日』を登ったことにならない根拠」は何かあるだろうか?

初登者と同じか、より良いスタイルで登ることが「完登」の条件だとしたら「簡単なムーブの発見」はどう扱うべきか。もっとわかりやすく言うと「それ、なんかセコくないか?」って感じでも完登と言えるのか。

オンサイトでこうやって「普通の日」を登るクライマーがいたら面白い。
彼に何て言うべきか。
ま、全ては自己満足ってことで。
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