岩を登るのか、課題を登るのか

外岩ボルダリングの楽しさは2種類あると思う。

1つ目は、自然の岩を自分の力だけで登る楽しさ。
2つ目は、初登者の作品である課題をトレースする楽しさ。

この2つの楽しみ方を区別して考えないと、スタイルがどうのこうの、いやいや自由だどうのこうの、とわけがわからなくなる。

先日、初めて大日岩でボルダリングをした。
日曜日なのにも関わらず、岩場には誰もいない。
ネットで調べると対岸に「弁天」(1級)という有名課題がある事を知ったので、探してトライ。

この時、僕は「岩」よりも「課題」を登ろうとした。
つまり、初登者の意思を尊重し、作品に敬意を持って取り組むという事だ。「完登」にも条件があるだろう。

岩登りのルールで「手の届く範囲ならどこからスタートしても良い」的な考えがあったりする。
けど、「課題を登る」のであれば、これは完全に間違いだ。初登者よりも高いスタート位置から登っても「完登」とは言えない。

また、「だいたいのラインがあってればいいんじゃないかな」って考えもあるけど、やはり初登者が使わなかったホールドは使いたくないし、できれば同じシークエンスで登りたい。
現実的には体格などによって人それぞれの登り方になってしまうけど、その登り方が一般的にその課題を登る方法と大きく異なるなら、それは「課題」を登った事にはならないと思う。

さて、マットやスポットの有無、またトップロープでのリハーサルなどは「完登」に影響するのかどうか。
僕は影響しないと考えている(もちろんスタートにマットを積み上げてムーブ強度を下げるとかはダメ)。

初登のスタイルを意識し、それを尊重する事は大切だけど、「課題」として発表されれば、その「課題」はみんなのモノだ。誰がどういうスタイルで登っても「完登」と言えると思う。
岩そのものこそが「作品」だ。その歴史や初登スタイルは「作品の説明」だ。それらを知ろうとし、敬意を示すが、「作品」の「完登」とは関係ない。
「その作品の中身はスタイルも含まれている」というのは、初登者のエゴだと僕は感じる。

(そりゃさ、より良いスタイルで登りたいけどさ、ノーマットなんて無理です。ごめんなさい。だけど僕だって素晴らしい課題に触れて、登ったよ!って言いたいんですよぅ。)

ちなみに「下地を変える」っていうのは全く次元の違う話。
これとスタイルの話を混ぜて考えるべきではないのでここでは割愛。


ということで、「弁天」(1級)は、やろうと思えば1手目を省略できるけど、それでは「完登」と言えないのでシットスタートでトライ。

岩小舎

独特なムーブが楽しく、やっぱジムとは違う!と再認識。
雨が降ってきて焦った(徒渉的な意味で)けど、5便ぐらいで登れた。

無事にこっち岸に戻り、どうにか天気ももっているので岩小舎で遊ぶ。

弁天

しかし、この岩の情報は調べられなかったので、「課題」ではなく「岩」登りを楽しむことにした。
左端からスラブをトラバースしてルーフに抜けていくラインなんて絶対に誰かが登っていてすでに「課題」として発表されているでしょう。
でも、僕は知らない。
だから、僕が登ったラインがその「課題」と全く同じだったとしても、僕は「課題」を登ったつもりは無い。
僕は自分の目で岩を見て、登りたいと思った場所を登っただけだ。


「岩」登りをしている人に対し「この課題は限定があって…、スタートはこっちで…、そのムーブはせこいな…」なんて言うのはナンセンスです。
その人はただそこにある自然の岩と対峙することを楽しんでいるのだから。

「課題」登りをしている人に対し「どうやって登ろうとも自由でしょ…君のリーチならこのホールド使えるんじゃないの…」なんて言うのはナンセンスです。
その人は先人が残した作品の鑑賞を楽しんでいるのだから。

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