母とバレン

実家にバレンタインというでかい犬がいる。
もうすぐ17歳の超老犬だ。

昨日、母から電話が有り、
「バレンが死にそうで病院に入院している」
「病院では死に目に会えないかもしれないから自宅に連れ帰るべきか、このまま入院させるべきかわからない」
「苦しむようなら安楽死させるべきか」

と言ったことを相談された。
僕が答えを出すことはできないし、母は十分客観的かつ冷静に判断できそうだったので、とりあえず話だけ聞いた。

今朝、仕事を休んでバレンに会ってきた。
もう意識が無く、呼びかけに反応することも無い。水分のみの点滴で痩せ細っていた。

IMG_2257.jpg


我が家では僕が小学校6年生の時から、盲導犬の赤ちゃんを1年間育てるボランティアとして犬を飼い始めた。
はじめはマーシュ。イエローのラブラドール。
2頭目はカーディフ。ブラックのラブ。
3頭目はレントン。ブラックのラブ。
そして4頭目がバレンタイン。イエローのラブ。
盲導犬協会から仔犬を借りて1年間育て、1年後に盲導犬協会に返却する、という形式だ。実際には厳しい訓練の結果、盲導犬になれるのは3割ぐらい。残りの7割は別の運命を歩む。
運よく、マーシュ、カーディフ、レントンは盲導犬として人さまの役に立ったようだ。
しかし、バレンは盲導犬にはなれなかった。その代わりブリーディング犬(種犬)としての使命が与えられた。ブリーディング犬であれば盲導犬協会に返却せずに自宅で飼う事ができ、ブリーディング犬としての使命を全うした後は盲導犬協会から買い取り、自分の犬として一生面倒をみることもできる。
こうしてバレンは正式にうちの犬になった。

誕生日は2001年2月14日。僕が高校1年生の時だ。
盲導犬の仔犬は頭も性格も良い。バレンは特に好奇心旺盛で、家族の名前もよく覚えていた。
「お父さんを起こしてきて」と言えば父の寝室に向かい、「ススムくんにあげて」と言っておもちゃをくわえさせれば弟のもとへ届けた。家の中ではやんちゃでも散歩中はお行儀よく歩く。本当に人間の気持ちをよく察してくれる犬だった。兄弟喧嘩の仲裁もバレンの役割だ。

imgp0827.jpg


僕の大学は寮だったので、実家には時々顔を出す程度になった。
兄は結婚し、家を出た。
弟も結婚し、家を出た。
同居していた母方の祖母は3年ほど前に亡くなった。
同じく母方の祖父は先日亡くなった。

3世代で暮らしたあの広い家に残されたのは両親と犬だけになった。
僕にとってバレンは「実家のでかい犬」だけど、母は僕が感じる寂しさ以上の何かを感じているかもしれない。
子供が独立し、親が亡くなり、飼い犬が亡くなることは寂しいけど、それだけ自由になっている、とポジティブに捉えて自分の人生を楽しんでくれたらいいなあ。

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