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広谷川御神楽沢でミニ大ゴルジュ突破とミニBigWall登攀

SNS上の某沢コミュニティでのやりとりから、初めてKのぽん氏、HG氏とご一緒させてもらいました。
うん、まさにネットで知り合った即席パーティーですね。

行き先は天気次第って雰囲気で、結局、広谷川御神楽沢奥壁本谷ルンゼに決まりました。
僕はよく知らなかったけど、結構人気の沢みたいで、内容的にも楽しそうです。

前日は新潟まで移動して、ジムで登って寿司食って英気を養いました。
その間に、Kのぽん氏とHG氏は別の沢を遡行して英気を削っていたようです。

当日は8時頃から行動開始。
林道再奥から歩き始めます。



1時間ほど平坦だけどちょっと荒れ気味の登山道を進むと、湯沢出合にぶつかるのでここから入渓。

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岩が青白くて、とても綺麗です。下部は魚影もありました。
入渓してすぐに泳ぎがあり、テン鰻(「テンションが鰻登り」の略)です。

御神楽沢出合までは河原歩きだけど、ちょっとした滝とか渓谷美とかを愉しみながら歩けるので退屈しません。
2時間ほどで御神楽沢に出合って少し行くと、御神楽大滝にぶつかります。
これは右からロープを出して巻きました(懸垂しないでも沢床に戻れます)。

ここからミニ大ゴルジュの始まりです。
ゴルジュ内の滝は全て登りましたが、けっこう歯ごたえのある滝も多くて楽しめました。
適当なネット出会い系即席パーティーなのでタクティクスも適当で、その場で適当に判断して、適当に突破していく感じです。

(写真の順番も適当です)

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しばらく行くと、ミニ大岸壁に突き当たります。
素晴らしい眺め。今日はここで幕営します。
15時頃着。

晴れ予報なので、僕はタープ無しのつもりだったけど、HG氏はタープ張りが大好きらしく、タープを張るか張らないかで大ゲンカ。しかし、気がついたら見たこともないようなきれいなタープが完成していました。
それから、僕にとっては焚火と寝床が離れているなんてちょっとあり得ないけど、HG氏は風がなんちゃらとか言って離れた場所を主張して、またまた大ゲンカ。

やっぱり即席パーティーは問題だらけですね。

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翌日は6時頃出発。

登山大系をけっこう真面目に読み解かないと、目的の本谷ルンゼには入れません。
たぶん、どこでも登れちゃうので本谷ルンゼのつもりで正面ルンゼを登っているパーティーもいると思います。

岩は硬く、フリクションもあるので爽快に登っていけます。
ただし、落ちたらいつでも死にます。
僕たちは適当なネット即席パーティーなので、ほぼフリーソロで2時間ほどで稜線に抜けました。

HG氏は「ネギ登攀は得意なんです」とか言っていて意味不明です。
即席パーティーでは意思疎通に難アリですね。

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せっかくなので御神楽山に登頂。

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登ってきたスラブを眺めながら下山します。
下山道は200名山の登山道とは思えないような厳しさです。
荒れてるとかじゃなくて、落ちて死なないように気を使うような道です。
13時半頃、駐車場着。

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天気も良く、水も少なく、寒くも暑くもなく、虫も少なく、とても快適な沢登りでした。

今回は、自分より遥かに経験の多いKのぽん氏とHG氏と一緒に登りましたが、自分たちがやってきた沢タクティクスは概ね合理的な方向を向いていることがわかったので良かったです。

Kのぽんさん、HGさん、ご一緒させていただきありがとうございました。
次回は即席パーティーではないので、また登りましょう!
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奥穂高南陵でゆるふわデート

久しぶりに乾いた岩をよじ登って、高い場所で寝たかなったので、奥穂高南陵。
いつもは車だけど、デートなので気分を変えて電車とバスで上高地へ。

いつ来ても気持ちがいい!



岳沢小屋からの雪渓は小さいけど、避けて通るのは難しそう。
念のため持ってきた軽アイゼンが役にたった。

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雪渓の行き止まりには柱状節理の壁。
なかなか見応えあります。

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アイゼンを外して、あとは明確なルンゼを詰めていく。
けっしてキレイな岩場ではないけど、沢ばかり行っていた僕にとっては久しぶりの乾いた岩で爽快!

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途中で藪漕ぎとかあったけど、概ねしっかりした岩のスクランブリング。

ところで、日本では「スクランブリング」って言葉は使われていない気がするけど、とてもわかりやすい便利な言葉だと思う。
北鎌尾根とか前穂北尾根とか北岳バットレスとか奥穂南陵を「ロッククライミング」って言うのは仰々しいし、もっとなんか「山登り」っぽさがほしくて「アルパインクライミング」って言うのはもっと仰々しい。「本ちゃん」でもいいかもしれないけど、古臭い。最近では「バリエーション」とか「バリ」って言うこともありそうだけど、なんだかこそばゆい。
そこで僕が使いたいのは「スクランブリング」。日本語訳は「よじ登り」かな。
よく知らないけど、たぶんアメリカとかヨーロッパでは、こう言う感じの山登りを「スクランブリング」って呼んでると思う。

薄い空気に息が切れ始めると、南陵の頭に到着。

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もう何度目かわからない奥穂の頂上。
あ、僕はチッペの写真だけ撮って、登頂し忘れた。

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まだ昼過ぎだったので、ジャンダルムまでひとっ走り。
これも楽しいスクランブリング。

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穂高岳山荘に泊まるのは初めて。
テンバは小屋よりもさらに高い場所にあって、涸沢側も新穂高側も見下ろせる。こんな贅沢なテンバはここ以外に無いでしょう。

外は霧が出てきて展望も無くなったので、小屋の休憩室で夕飯。

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すると、外が晴れてきた!
すごい景色だ。

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僕は高所に弱くて、3000mで寝ると、いつも頭痛と吐き気に襲われる。
今回も夜中にテントの中で苦しんでいたけど、それでも、風でバタつくテントが「山にいるんだ」って嬉しさを思い出させてくれる。

翌朝、絶景の中の下山。

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下山ルートは明神岳経由とか色々アイディアはあったけど、最も無難な涸沢経由を選択。
気持ち悪くて朝食も食べられなかったし。

上高地に着く頃には高山病のことなんてすっかり忘れて、乾杯!

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楽しいゆるふわデートでした。
さて、そろそろ岩シーズンに向けてクライミングを頑張らないとな!
でも、沢も続く予定。
ワクワクが止まらない!

北又谷、水線突破で美渓を堪能

北又谷(きたまただん)。
花崗岩の白。大釜の青。森の緑。
泳ぎ、ヘツリ、渡渉、登攀、全てが高いレベルで要求される大渓谷。
だけど、人類がギリギリで水線突破できる絶妙な設計。
ワクワクが止まらない!

今シーズンの目標の1つがこの北又谷だ。
はじめは僕とチッペの2人の予定だったけど、丹波川と利根川本谷に一緒に行ったワタルくんも参加したいということなので快諾。沢の経験は僕たちよりも少ないものの、山に関する全ての行動が安定していて安心感がある。何より、空気感が合って一緒にいて楽しい。

3人で日程調整し、天気予報と睨めっこ。
増水したら水線突破は不可能だ。

遡行3日前、意を決してタクシーを予約した。

0日目。
僕とチッペ、それからワタルくんの3人が集合。
夕立の可能性があるので、屋根がある親不知の道の駅で入山祝い。

1日目。
下山予定地の坂田峠に移動し、予約したタクシーに乗り換える。
小川温泉を通過して超道(こえど)峠まで1万6千円。



峠からの道は明瞭で迷いようがない。
入渓点に下降するコルもはっきりした地形でわかりやすい。

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コルからほんの少し藪漕ぎすると、すぐにはっきりした沢地形になり歩きやすい。
そのうち水が流れ出し、最後はしっかりとした沢になる。

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上の写真は河原に降り立つ直前の滝。
ここだけ、少し緊張するがロープは出さなかった。他に問題になる場所はなかった。

そしてついに憧れの北又谷に降り立った!
水は少ない。生ぬるい。

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北又谷は水位が最も重要な要素なので、この時点で7割ぐらい成功したようなものだ。

「もしかしたら、利根川の時のようにあっけなく終わっちゃうかもな…」

なんて考えたりもした。

でも、魚留滝でこの谷の難しさを知った。

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北又谷にはいくつか核心部があるが、その中でも最初の3つの滝(魚留滝、大釜淵、又右衛門滝)の突破がキモになる。
この3つの滝をスムーズに突破できれば、時間的にも余裕ができて成功の確率は大幅に上がる。
逆に、ここで苦労するようでは、北又谷は僕たちにとって難しすぎるということだ。

魚留滝はワタルくんがリード。
クライミングシューズに履き替えて、右壁をトラバースする。
落ちても釜ぼちゃなので、ランニングは取らない。仮にランニングにぶら下がったとしてもどうせ釜に落とすしかリカバリー方法がない。それは2人目以降も同様だ。
その代わり、下流側でロープ握り、落ちても滝に引き込まれないように注意する。3人目だけは下流側の確保が無いので、ライジャケを着用する。

ワタルくんは高めのラインを慎重にトラバースし、無事に突破。
3人分の荷物を荷揚げしてもらい、僕もチッペも通過。僕は少し低いラインを登ったが、クライミングシューズが無ければ登れなかっただろう。

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比較的にスムーズに魚留滝を突破したものの、予想よりも難しかった。
さすが北又谷、そう簡単には登らせてくれない。
ますますワクワクしてきたぜ!

落ち口のジャンプも緊張。
もしもバランスを崩したら確実に釜に落とされる。
ロープ確保の体重差を考慮して、チッペが空身でジャンプ。やってしまえは簡単だけど、絶対に失敗できないので緊張する。

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次の滝は大釜淵だけど、そこに辿り着くまでも、水との格闘が強いられる。
だけど、僕とチッペは増水の釜川を経験したし、3人とも増水の丹波川を経験した。これらの増水川と比べれば、さほどの困難は感じない。

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ちょうど良い刺激に興奮しながら大釜淵に到着。

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大釜淵は何件か死亡事故が発生している。
そのうちの1件は詳細な事故報告書も読んだ。

実際に見てみると、思っていたよりも小さく、水流も強くないように感じた。直感としてはこれなら突破できる。
突破タクティクスは魚留滝と同様。上流側からのビレーはせず、下流側がロープを握る。3人目はライジャケ着用で、失敗した場合は自力で岸に戻るか、状況を見て上流側から引っ張る。

まずはチッペがトライ。
左壁に沿って、川の流れと反対の水流に乗って進む。
が、そのまま流心に引き込まれていき失敗。岸からロープで引っ張る。こりゃあ、ロープかライジャケが無いとまじで溺れるやつだ。
チッペは2回目も失敗。

リード交代で僕の番。
スイスイーっと流れに乗って、その勢いを殺さずに方向を左に変えて、凹角に入り込めた。
凹角は水流が安定していると思ったが、実は流心に引かれる力がそれなりにあって、気を抜くと引き剥がされてしまう。
凹角にホールドは皆無。
フリーで抜けるには、恐ろしい力の滝の流心に近付いて、3mほど右のリッジを登るしかない。リッジの先端にホールドがありそうな雰囲気だ。
凹角を離れて、流心に引き込まれる流れに乗る。なるべくスピードをコントロールしようとするが、徐々に加速しながら滝に近づいていく。加速して流されるのと、ホールドを掴めるだけ右に行くののバランスが絶妙だ。
「もうダメだ、流される!」と思った瞬間にガバに手を伸ばし、無事成功。
これは怖い。けど、最高の気分だ!

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次は又右衛門滝。
これは通常は巻くようだが、パーティーによってはエイドで水線突破している。
高巻は結構大変で、数時間かかることもあるようだ。たった5mほどの滝のために数時間藪漕ぎをするなんてどう考えても非合理的だ。
突破タクティクスは特に無し。頑張る。落ちても溺れるリスクはほぼ無い。
まずはフリーで、無理ならエイド。それでも無理なら高巻く。

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ということで、とりあえずクライミングシューズを履いて、フリー突破に挑戦。どうせエイドしないし、ランニングも取らないので、カムもハーケンも置いていく。
離陸はホールド豊富で簡単。左の棚に乗り上がれば終了だけど、そこの部分にこれといったホールドがなく難しい。なんとかバランスをとりながらオンサイト成功。

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ワタルくんは1回釜ぼちゃして2回目、チッペは1回目で突破した。
そして落ち口ギリギリで釣りしてた。

え?そこ大丈夫な場所なの?

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これで無事に3つの滝を突破した。まだ昼前だ。
3泊4日を確保してきたが、2泊で抜けられそうだ。

だけど、そんなに気を緩めることができないのが北又谷の良いところだ。
最初に思った「あっけなく終わっちゃうかも…」は杞憂だった。
どの小滝も一筋縄でいかず、荷揚げをしたり、飛び込んだり、色々工夫しながら超えていく。

それにしても美しい渓谷だ!

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しばらく行くと、特徴的な長い淵があらわれる。これは絶好の泳ぎポイントだ。
チッペが大釜淵で失敗したので、ここで僕が泳ぎのレクチャー。
をしようとしたけど、ガチクロールでも最後まで泳ぎきることはできなかった。
こんなに泳がなくても対岸から飛び込めば良いので、突破は難しくない。

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その後も次から次へと釜やら淵やら小滝やら出てきて全く飽きることがない。
もうだいぶ進んだと思っても、GPSはほとんど動いていない。すごい沢だ。

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ゴルジュが一旦終了し、しばらく河原歩き。
時間的にはだいぶ余裕があるけど、行き過ぎると良い物件が無さそうなので、ぼちぼち土地探し。
すると、つい最近のビバーク跡地を見つけたので、行動終了。

今日はイワナは釣れず。
でも、肉の日(8/29)だからボッカした肉をたくさん焼いた!

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2日目。
夜中に雨が降ったが、増水はしていない。
今は天気も良く、今日も快適な遡行のスタートだ。

朝から美しい景色にため息をつき、時には奇声をあげながら、ジャブジャブスイスイヨジヨジ進んでいく。

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核心の1つだと想定していた白金滝はいつの間にか通過してしまったようだ。
どうやら今は消滅しているようだ。
下の写真が元の白金滝か?左壁から容易に通過できた。

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朝陽に照らされたゴルジュが非常に美しい。
僕を含めて沢に魅せられた人たちにとって、この景色を観ることが至福の時なんだ。

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次の核心は三段滝の2段目。
通常は高巻くが、エイドで突破しているパーティーもある。
突破タクティクス。これまでの核心滝と違いラインは直上気味なので、通常通りランナーとってビレイされながらリードする。もしもランナーがとれなくても、釜ぼちゃだからそれはそれでOK。ただし、高さはあって怖いだろう。2人目以降は特に問題となることは無い。
まずはフリーで、無理ならエイドで、それも無理なら高巻く。

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最初にチッペが取り付いたが、フリー突破は不可能と判断。
エイドに切り替えハーケンを打とうとするが、1本目のハーケンがきめられず、僕に交代。

背の高さの問題で、僕は1本目をきめることができたので、そのまま2本目も打ってチッペにバトンを戻す。

チッペは3本目、4本目を苦労して打ち込み、その後は大胆なフリーで突破した。
この時、直前のハーケンにランニングを取ることができず、落ちたら釜ぼちゃなので、ビレイは解除して日向で見学してた。

気合いを感じる良いトライだった!

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その後も色々出てくる。
遡行図がざっくりしてるのも頷ける。全部の滝や瀞を書いていたら大変なことになる。全行程、ほとんどゴルジュ突破している感じだ。そのどの部分を切り取っても素晴らしい内容で、奥多摩や丹沢にあったら人気のゴルジュ突破スポットになるだろう。

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次の核心部はサルガ滝。
あばよくば水線突破、とか思っていたけど、ボルト連打以外に突破方法が想像できないので、通常通り高巻く。

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と思ったら、沢の本流から外れた袋小路にイワナの群れを発見。
本流とつながっている部分を堰き止めて、群れを一網打尽にする作戦。石を積んで、リュックも使ってイワナの逃げ道を塞ぐ。
イワナたちはあっちに行ったりこっちに来たり、慌てふためいている。
積んだ石垣の隙間に入り込むイワナの尻尾を掴んで引っこ抜く。
岩に隠れているつもりのイワナをそっとすくいあげる。
何匹か逃げられたけど、3匹ゲット!

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まだ14時過ぎだけど、明日の下山は確実なので、サルガ滝を超えたところでビバーク。

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3日目。
これまでのゴルジュから打って変わって美しい景観の河原が続く。
昨日までの厳しい遡行を思い出しながらブラブラ歩く。
ああ、北又谷、素晴らしい沢だった。
あとはウィニングロードを楽しむとしよう。

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なんて思っていたら大間違い。
ゴルジュは永遠に続く。
サイズは小さくなるものの、傾斜はどんどん立ってきて、難易度は上がっていく。

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時には荷揚げし、時にはロープを使って登っていく。
ぬめった滝はとても難しく、登攀としてはこのあたりが核心かもしれない。
滝の数など記載するのは意味がなく、細いゴルジュ全体がずっと滝だ。

そしてついに登れない滝にぶつかった(下の写真ではないけど、こんな雰囲気のハング)。
高さは3mほどだが、のっぺりした一枚岩の薄かぶり。ショルダーでもリップには届きそうにない。ハンマー投げで引っかかるような岩も無い。ハーケンが打てるリスも無い、
しょうがない、高巻くとしよう。

僕たちが高巻いたのは、サルガ滝と、この最後の滝だ。

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この後はゴルジュ地形は消失し、沢の形状を歩く。
そのうちネマガリタケの藪に突っ込むが、藪は薄く、さほど困らない。
しかし、最後の最後、標高であと10mになってから、ハイマツの大木とシャクナゲのmixになり、空中遊泳。
まあ、でも、それも北又谷のちょっとしたスパイス。
満たされた気持ちで登山道に飛び出て終了。

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犬ヶ岳はすぐそこ。
時刻は11時。
さあ、下山して温泉入って、宴会だあ!

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2週間前に行った利根川本谷は、困難な部分が少なく、あまり充実した山行にはならなかった。
もしかしたら北又谷も水が少ないと「ゆるふわ系」になってしまうのではないかと心配していたけど、そんなことは無い。ちょっとでも増水したら、僕たちの力では歯が立たなかったか、もしも突破できたとしてもリスクが高すぎるシビアな遡行になっていただろう。

自分たちの力と沢の難易度がちょうどマッチして、

「条件の良い時に、自分たちの力を総合して、ギリギリ楽しく突破できる」

というラッキーな体験ができた。

「ギリギリ楽しく」が重要で、難しすぎる山への挑戦はリスクが高く、簡単な山ではつまらない。自分たちの実力の範囲内でギリギリあたりが1番楽しい。でも、「憧れの山」に挑戦するには実力を上げる必要がある。
どうやったら実力を上げられるのか?「ギリギリ楽しい」のちょっと先の経験を積んでいくことが実力につながるはずだが、背伸びをしすぎると死ぬ。

この葛藤は全てのアルパインクライマーが抱えているだろう。
みんな悩みながら、次の目標に向けて夢を膨らませる。

さて、僕の沢シーズンはまだ続きます。
ワクワクが止まらない!
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こんにちは!
いつも笑顔のペコマです!

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