友人とホラ貝ゴルジュにいく予定だったけど、延期になったので、じゃあちょっとお散歩に行こう。
ってことで釜川にお散歩に来たらこんな感じだった。



曇り予報なのに、なぜか本格的に雨が降っている。
駐車場の他のパーティーは行くかどうか逡巡している様子。
ま、とりあえず行ってみる。
駐車場から踏み跡を10分ほどで取水口。
水が茶色い。えっと、こんなに増水してるなんて想定外なんですけど。
たぶん普通は堰堤の上を歩けるんだと思うけど、脚がもっていかれそうで、転ぶと堰堤の上から吹っ飛ばされるので、堰堤下を無理やり渡渉。
その後も水と格闘しながらジワジワ進むと、がっつり巻いた後続たちに抜かれた。

時にはスクラム。
時には高巻きから懸垂。
時にはヘツリ。
1番やばかった渡渉は、水泳選手のように頭から飛び込んで流心を超えて本気クロールで対岸へ。見ていた別パーティーが拍手してくれた。「オレは絶対やりたくないけど…」とか呟いているのが聞こえた。


ヘツリもやばい。
普段なら「ぼちゃん、あはは」だろうけど、今はぼちゃんしたらあっと言う間に流されてヒョングっちゃう。ので、一応、ロープ出したりしたけど、どっちにしろ落ちたらヒョングった後に流心でぶら下がって身動きできず溺死するパターンな気もする。

何時間もかかってやっと二俣。
1つ目の滝に取り付けず、右岸から高巻き3ピッチ。
懸垂で降りたら2条CS滝。これはもともと高巻く滝なので素直に左岸から高巻き。
降りたら、ホンモノの2条CS滝。やれやれ、高巻く。

別パーティーはどうやら敗退したようだ。荷物の感じから日帰りだろう。
僕たちは泊まる準備をしているので、とりあえず行けるところまで行くことにする。
雨は本降りになったりやんだりを繰り返していたが、徐々に青空が見えてきて太陽も射し始めた。
だけど、すぐに水が引くこともなく、三ツ釜手前の長瀞の突破はできそうもなかったので、その手前の河原で幕場を探す。

足元まで水がきているけど、天気予報ではこれから雨が降ることも無さそうなのでここでビバーク。
手元の遡行図では1時間ほどの距離に6時間かかった。
薪は大量にあるけど、僕の焚き火技術では火をつけることはできなかった。
チッペも食材調達に失敗。
お互い修行が必要なようだ。
少し寂しい夜だけど、酒を呑んで星空を見上げれば、明日の遡行への期待感で心が満たされる。

チッペは梅酒飲んでサキイカ食べながら「食い寝してるのー」とか言いながら寝てしまった。

明け方3時。
トイレに起きるとすごい星空。
水量もかなり減った。
翌朝、簡単に朝食を済ませて5時過ぎに遡行開始。
さっそく、昨日は全く通過できそうもなかった長瀞と小滝に挑む。

まだ少し濁りはあるものの、人類が通過できるレベルの水量だ。
どうやら敗退せずに前へ進めそう。

ちょっと行くと、待ちに待った三ツ釜の登場!

これまで本やネットの写真を見て、「きっと実物はもっと迫力があるんだろうなー」と想像していたけど、まさにその通りですごい迫力。でかい。
セオリー通り右のリッジをチッペがリード。
上部スラブに砂利がのっていて掃除しながらの登攀で悪そう。


滝上からの景色は独特。
雪で磨かれた黒いスラブ。さらさらと流れる白い滝。不釣り合いに巨大ないくつもの群青の釜。これらが異様な光景を作り出している。
渓谷美が好きな人は絶対に行くべきだ。

その後もなんやかんや色々楽しませてくれる。




朝はやや濁っていた水も、午後には透き通り、ただ純粋に遡行を楽しめる。
登っても登っても綺麗な瀞とか釜とかあって、ついついプカリでリゾート気分。

今日は稜線まで詰めあげるのは不可能なので、林道からエスケープ予定。
となれば急ぐ必要もなくて、竿を出す。

が、釣れず。
その代わり、ミズナを大量にゲット。
高巻きで僕が必死にロープを伸ばしている時に採取したようだ。

それほど困ることもなく今回の脱渓地点の林道に到着。
最後にもう一度竿を出すが釣れず。
僕も貸してもらって降ってみるも上空の木の枝が釣れた。

橋の上で装備を解除。

最初は藪漕ぎ。

ヤド沢と出合う頃にはすっかりちゃんとした林道になる。
けっこう長くて精神的に参ってきた頃、駐車場着。
お疲れ様でした。

家に帰ったら、さっそくチッペがミズナを茹でてくれました。
これがシャキシャキですごく美味しい!
醤油マヨ和え、きんぴら風炒め、にんにく味ぽん、全部美味しかった!


さて、やっと梅雨が明けて本格的な沢シーズン到来ですね。
今年はいくつか大きな沢にも挑戦したいので、ワクワクが止まりません!