二子山で「任侠道」はじめました
城ヶ崎で「スプラッシュ」(5.13cd)を登った僕は、気を良くして二子山にやってきた。
数字1つ下の「任侠道」(5.12d)を軽く片付けてやろう、と。
金曜に有給とって4連休。
今回のパートナーは「医者なのに意識高い系クライマー仲間」のTKD。
毎日、それなりに真面目に登りました。

クライミングを始めた頃から通いこんだシーサイドと違い、二子山には数回しか来たことがない。
その数回も、悪いイメージばかりだ。
二子山中央稜を登って、ついでにトライした「悪魔のエチュード」(5.10a)で激パンプしたり。
初めての5.12aを目指して「いとしのエリー」と「ノースマウンテン」にトライして、どちらにも歯が立たなかったこともある。
唯一まともに登ったのは数年前の「青い目のセリーヌ」(5.12c)ぐらいだ(←完登動画)。でも、このルートはほぼボルダリングだから、実質、二子山のルートをまともに登ったことは無い。

そこで、「任侠道」だ。
このブログの読者であれば「任侠道」を知らない人はいないだろう。今さら説明するまでも無いが、二子山唯一の四つ星ルートで、平山ユージもマイフェイバリットルートとして紹介している。登った人全てが絶賛する超すごいルートのようだ。
だけど、正直、見た目はこれといった特徴はない。
「スプラッシュ」の方が100倍ぐらいカッコいい。モチベーションが上がる。
同じ二子山でも、左端のスカイラインのあたりはめちゃめちゃ魅力的だ。あそこを登れたら最高の気分だろう。それとか、岩壁を上まで貫く「ノースマウンテン日本一」や、ハング帯にあるのに遥か頭上のさらなるハングを抜ける「ふりかえるな」なんかは登攀意欲が湧いてくる。
これらのルートと比べれば、「任侠道」はショボい。さらに、ツララとかアンダーとかが湿っている。
グレード的にも、周囲の高難度ルートに埋もれて、全く輝くものがない。
ということで、僕の「任侠道」へのイメージはあまりポジティブなものではなかった。

流石にいきなり「任侠道」はルール違反な気がするので、まずは軽く「ホテル二子」(5.11c)でもやるか、と取り付いたものの民宿にチェックインせずに核心に突入し撃沈。2便目で登れたものの、もう、二子はパンプのイメージしかない。
「ノースマウンテン」(5.12a)も避けては通れない。
こういう長いルートはほとんど登ったことが無いので苦手意識があるが、何回もやりたくないので一発で決める覚悟で取り付いた。
過去にトライしているし、ビレイもしているので全くオンサイトではないけど、これといって情報を集めた訳でもなく、完全に忘れているので気分はオンサイトトライだ。
ところどころレストを交えつつジリジリ高度を上げていき、ニーバーで良いレスト体制へ。上を見ると、5m先に終了点が見える。
「レストはうまくできているし、登れたようなもんだぜ!」と思って動き出すものの、どうしても良いホールドが見つからない。チョークは付いているのに、全部悪い。
焦る。
指が開きつつある。
パニクる。
前腕が熱くなる。
ふと右を見ると、ちょっと下に明らかなガバサイドホールドがある。あれかー!
3手ほどクライムダウン。ニーバーまで戻ることも考えたけど、それまでに落ちそうだ。一か八かでガバサイドへデッド。とまったぁ!でも、もう落ちそう。2手ぐらい進むと、終了点ホールドを認識できたが、もう前腕が限界。
すると下から「アンダーでも持てる!」の声が。なんだと?こうか?おお、持てる。ちょっと体勢を整えて、最終ホールドへ渾身のデッド。登れた〜。
ということで、無事に「ノースマウンテン」はRPできました。充実の1本でした。

お次は「ペトリューシュカ」(5.12b)。
まあ、数便でRPすればいいかなーってぐらいの気持ちだったんだけど、TKDが本気でオンサイトトライするって言うから、しょうがなく僕も真剣にトライ。
下部はほとんどガバに見えるけど、一箇所、難しそうなところがあった。オブザベ段階で「ここは勝負」と決めていたので、迷わず遠い一手を出して成功。無事に上部へ到達。
またもやニーバーでレストできるが、岩が冷たくて手の感覚が戻ってこない。もうニーバーも限界で、しょうがなく動き出すものの、何を持っているかのかもよくわからない。右手ガバアンダーでクリップなんだと思うけど、それもできず、とりあえず左手を伸ばし、明らかに右手で取るべきホールドを左手でタッチしてフォール。コンペで高度を稼ぐようなものです。だってTKDに負けたくないからね。
そのTKDは下部で迷走しテンション。よし!落ちろ光線が効いた!
で、TKDは翌日ちゃっかりRPしました。僕はと言うと、上部核心がどうもしっくりこなくて、とりあえず諦めちゃいました。完全に負けてますね。気分がのった日にRP目指します。
そして「任侠道」。
初めて触ったのは4連休の初日、「ホテル二子」のオンサイト失敗後。
「ホテル二子」でかなり粘ったので疲労感はあったものの、どのムーブも簡単に感じて好感触。「残りの3日をこのルートに捧げれば登れそうだなー」って感じ。
でもそれも勿体無くて、他のルートでも遊びながら、ムーブを組み立てていった。
ほぼムーブが固まったので3日目に初めての本気トライ。ムーブ強度的核心の2手をこなし、まだ腕は余裕があったので「登れちゃうかも?」なんて思った直後、6ピン目にクリップができずフォール。
これ、僕は「とんがりコーン」に乗ってクリップは無理です。そこだけやってもギリギリです。ってことでヒールでクリップに変更。
4日目は完登するつもりでトライしたのに、核心も突破できず、弱さを痛感。
4日間の疲労の影響は大きいけど、このぐらいの強度のルートであれば登っておきたいところ。やっぱり何かが足りないんだな。
初めはネガティブな印象だった「任侠道」だけど、いつの間にか、僕もこのルートの虜になっていた。確かにいいルートだ!運転中も風呂でもムーブが頭を駆け巡る。
でも、僕はすでに「任侠道」よりも「唐獅子牡丹」(5.13b)や「即身仏」(5.13c)への興味が大きくなってきている。
早く終わらせて、次のルートへ進もう。

他に登ったのは、「クレーター」(5.11c)と「モダンラブ」(5.12a)。
どちらも2便目でRP。一撃できないのがやっぱり弱い。
両方ともボルダー的要素の強いルートで楽しかったです。
宿泊は「小鹿野ゲストハウス」に3連泊。
犬が嫌いでなければとても居心地の良い場所です。これからも利用すると思います。

ってことで昼も夜も毎日楽しい4日間でした。
5月ぐらいまでは二子に通うと思うのでよろしくお願いします。
数字1つ下の「任侠道」(5.12d)を軽く片付けてやろう、と。
金曜に有給とって4連休。
今回のパートナーは「医者なのに意識高い系クライマー仲間」のTKD。
毎日、それなりに真面目に登りました。

クライミングを始めた頃から通いこんだシーサイドと違い、二子山には数回しか来たことがない。
その数回も、悪いイメージばかりだ。
二子山中央稜を登って、ついでにトライした「悪魔のエチュード」(5.10a)で激パンプしたり。
初めての5.12aを目指して「いとしのエリー」と「ノースマウンテン」にトライして、どちらにも歯が立たなかったこともある。
唯一まともに登ったのは数年前の「青い目のセリーヌ」(5.12c)ぐらいだ(←完登動画)。でも、このルートはほぼボルダリングだから、実質、二子山のルートをまともに登ったことは無い。

そこで、「任侠道」だ。
このブログの読者であれば「任侠道」を知らない人はいないだろう。今さら説明するまでも無いが、二子山唯一の四つ星ルートで、平山ユージもマイフェイバリットルートとして紹介している。登った人全てが絶賛する超すごいルートのようだ。
だけど、正直、見た目はこれといった特徴はない。
「スプラッシュ」の方が100倍ぐらいカッコいい。モチベーションが上がる。
同じ二子山でも、左端のスカイラインのあたりはめちゃめちゃ魅力的だ。あそこを登れたら最高の気分だろう。それとか、岩壁を上まで貫く「ノースマウンテン日本一」や、ハング帯にあるのに遥か頭上のさらなるハングを抜ける「ふりかえるな」なんかは登攀意欲が湧いてくる。
これらのルートと比べれば、「任侠道」はショボい。さらに、ツララとかアンダーとかが湿っている。
グレード的にも、周囲の高難度ルートに埋もれて、全く輝くものがない。
ということで、僕の「任侠道」へのイメージはあまりポジティブなものではなかった。

流石にいきなり「任侠道」はルール違反な気がするので、まずは軽く「ホテル二子」(5.11c)でもやるか、と取り付いたものの民宿にチェックインせずに核心に突入し撃沈。2便目で登れたものの、もう、二子はパンプのイメージしかない。
「ノースマウンテン」(5.12a)も避けては通れない。
こういう長いルートはほとんど登ったことが無いので苦手意識があるが、何回もやりたくないので一発で決める覚悟で取り付いた。
過去にトライしているし、ビレイもしているので全くオンサイトではないけど、これといって情報を集めた訳でもなく、完全に忘れているので気分はオンサイトトライだ。
ところどころレストを交えつつジリジリ高度を上げていき、ニーバーで良いレスト体制へ。上を見ると、5m先に終了点が見える。
「レストはうまくできているし、登れたようなもんだぜ!」と思って動き出すものの、どうしても良いホールドが見つからない。チョークは付いているのに、全部悪い。
焦る。
指が開きつつある。
パニクる。
前腕が熱くなる。
ふと右を見ると、ちょっと下に明らかなガバサイドホールドがある。あれかー!
3手ほどクライムダウン。ニーバーまで戻ることも考えたけど、それまでに落ちそうだ。一か八かでガバサイドへデッド。とまったぁ!でも、もう落ちそう。2手ぐらい進むと、終了点ホールドを認識できたが、もう前腕が限界。
すると下から「アンダーでも持てる!」の声が。なんだと?こうか?おお、持てる。ちょっと体勢を整えて、最終ホールドへ渾身のデッド。登れた〜。
ということで、無事に「ノースマウンテン」はRPできました。充実の1本でした。

お次は「ペトリューシュカ」(5.12b)。
まあ、数便でRPすればいいかなーってぐらいの気持ちだったんだけど、TKDが本気でオンサイトトライするって言うから、しょうがなく僕も真剣にトライ。
下部はほとんどガバに見えるけど、一箇所、難しそうなところがあった。オブザベ段階で「ここは勝負」と決めていたので、迷わず遠い一手を出して成功。無事に上部へ到達。
またもやニーバーでレストできるが、岩が冷たくて手の感覚が戻ってこない。もうニーバーも限界で、しょうがなく動き出すものの、何を持っているかのかもよくわからない。右手ガバアンダーでクリップなんだと思うけど、それもできず、とりあえず左手を伸ばし、明らかに右手で取るべきホールドを左手でタッチしてフォール。コンペで高度を稼ぐようなものです。だってTKDに負けたくないからね。
そのTKDは下部で迷走しテンション。よし!落ちろ光線が効いた!
で、TKDは翌日ちゃっかりRPしました。僕はと言うと、上部核心がどうもしっくりこなくて、とりあえず諦めちゃいました。完全に負けてますね。気分がのった日にRP目指します。
そして「任侠道」。
初めて触ったのは4連休の初日、「ホテル二子」のオンサイト失敗後。
「ホテル二子」でかなり粘ったので疲労感はあったものの、どのムーブも簡単に感じて好感触。「残りの3日をこのルートに捧げれば登れそうだなー」って感じ。
でもそれも勿体無くて、他のルートでも遊びながら、ムーブを組み立てていった。
ほぼムーブが固まったので3日目に初めての本気トライ。ムーブ強度的核心の2手をこなし、まだ腕は余裕があったので「登れちゃうかも?」なんて思った直後、6ピン目にクリップができずフォール。
これ、僕は「とんがりコーン」に乗ってクリップは無理です。そこだけやってもギリギリです。ってことでヒールでクリップに変更。
4日目は完登するつもりでトライしたのに、核心も突破できず、弱さを痛感。
4日間の疲労の影響は大きいけど、このぐらいの強度のルートであれば登っておきたいところ。やっぱり何かが足りないんだな。
初めはネガティブな印象だった「任侠道」だけど、いつの間にか、僕もこのルートの虜になっていた。確かにいいルートだ!運転中も風呂でもムーブが頭を駆け巡る。
でも、僕はすでに「任侠道」よりも「唐獅子牡丹」(5.13b)や「即身仏」(5.13c)への興味が大きくなってきている。
早く終わらせて、次のルートへ進もう。

他に登ったのは、「クレーター」(5.11c)と「モダンラブ」(5.12a)。
どちらも2便目でRP。一撃できないのがやっぱり弱い。
両方ともボルダー的要素の強いルートで楽しかったです。
宿泊は「小鹿野ゲストハウス」に3連泊。
犬が嫌いでなければとても居心地の良い場所です。これからも利用すると思います。

ってことで昼も夜も毎日楽しい4日間でした。
5月ぐらいまでは二子に通うと思うのでよろしくお願いします。
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