ロンドンで芸術鑑賞にいそしんでみた National Gallery in London
きっかけは、ベルファストで知り合った日本人医師だった。
彼女は医師だけど、今は医師業はお休みして、他の生き方を模索している最中らしい(どっかの奥さんと似ている)。
どっかの奥さんと違うのは、山かアートかという点。
彼女に誘われて、ベルファストで開催中の日本人アーティストの現代アート展示を見に行った。

現地の泥を使って描いた壁画だったり、

「生きろ」と書き続けるパフォーマンスがアートだったり。
僕は基本的にアートに対して懐疑的だ。
特に現代アートってやつに対して。
まず、アートの範囲が広すぎはしないか?パフォーマンスがアートで、政治的なメッセージを伝えることがアートなら、デモ行進は間違いなくアートだろう。そして、たぶんクライミングもアートだ。
で、それならそれで、そういうモノとして楽しめば良いのだけど、それでも楽しみきれない部分も多い。
僕が一番気になるのは、「それ、誰でも作れるじゃん」系の作品。
もちろん、芸術界に大きな影響を与える新たな表現方法なんだっぽいことだったりするんだろうけど、そういうのを素人が楽しむのは非常に難しい気がする。
音楽の話だけど、「4分33秒」という曲がある。
ただ4分33秒間、無音が続くだけ、という作品。こういうの、何なの?と、本当は大抵の素人は首を傾げているはずだ。
キャンバスにぐちゃぐちゃって何か書いた作品。
床に石を並べた作品。
こんなの、僕にも作れるじゃん。
まあ、「芸術家の作品はホンモノでは無くて、未開の地の人や、知的障害のある人の描くものこそホンモノだ」っぽいことまで言う人もいるようだから、僕は芸術を議論する土俵にすら乗れていないのだ。
それでも、やはり優れた作品というものはあって、それは歴史が証明するのだと思う。
歴史に埋もれず、後世に伝えられ続ける作品が、結局、良い作品なのだろう。
そのような「良い作品」を手っ取り早く観ることができるのが、ロンドンのナショナルギャラリーだ。
ってことで、観てきました。

こんな僕でも楽しむことができるのか心配だったけど、けっこう楽しめました。
3000点ぐらいある展示の中で、気に入ったものを50点選べば、その半分ぐらいはポスターやポストカードとして売られている人気作品っていう感覚でした。つまり、人気のある作品は、何の知識の無い僕のような人にとっても魅力的に感じるもので、そういうのが「良い作品」としてちゃんと生き残っていくんだな、ということに感心したのです。
時代が新しくなるにつれて、「よくわからない絵」が増えていく気がして、そうすると「こんなの適当に描いてそれっぽいこと言えばいいんでしょ」という天邪鬼な気持ちが芽生えてくるだろうな、と言うのが僕の予想でした。
でも、良い意味で裏切られ、古い時代の宗教画や人物画よりも、印象派の「よくわからない絵」の方が魅力的に感じました。
予想に反して「これは僕には描けない!」という感覚がめちゃくちゃ強かったです。
例えばモネ。

遠くから見ると、まあ、綺麗な絵ではあるけど、平凡な絵との違いはよくわかりません。構図なんかも特別良いとも思えないし、特別美しい色とも思えませんでした。
だけど近付いて見ると驚きました。

ミクロで見ると、本当に適当に色を並べているだけのようにみえるのです。
水面に反射した空と、水面に浮かぶ植物をいったいどうやって描き分けているのだろう。こんな適当な感じに色を並べるだけで。
以下の写真はモネではないと思うけど、僕が感心したものです。





色を筆のタッチを変えて並べていくだけで、遠くからみると、写真とも違う、だけどリアルさのある空気感が伝わってくるのです。凄いなあ、と思いました。
あと、ゴッホの絵はそこまで凄いとは感じなかったけど、絵の具が立体的な事に驚きました。
こりゃあ実物見ないと伝わらないわけです。
で、ゴッホの絵などを見ていて思ったのですが、額がすっごく邪魔でした。
なんで額に入れるの?
絵の立体感が台無しになっている気がするのですが、そんなことはないのでしょうか?絵よりも額の立体の方が目立つという。横から厚みとかも見にくいし。
さらに、照明が上から当たっているから絵の上の方が額の影になってしまいます。例えば、3枚上の写真の空の部分が額の影になってしまい、作品の魅力が著しく下がっているように思うのですが、そんなことはないのでしょうか。有名なゴッホの「ヒマワリ」だって、1番高い位置の花が影になっていて、なんか僕の感覚的にはけっこう有り得ません。
とは言え、小学校の教科書で見たよう有名作品が、やっぱり魅力的な作品として僕にも感じることができたので嬉しかったです。
絵のことをもっと深く知りたいとも思いました。これからは積極的に美術館にも足を運んでみようと思います。
そのうち、「意味不明かつ僕にも作れそうな作品」にも魅力を感じる日が来ると信じて。
下はおまけの騙し絵。


彼女は医師だけど、今は医師業はお休みして、他の生き方を模索している最中らしい(どっかの奥さんと似ている)。
どっかの奥さんと違うのは、山かアートかという点。
彼女に誘われて、ベルファストで開催中の日本人アーティストの現代アート展示を見に行った。

現地の泥を使って描いた壁画だったり、

「生きろ」と書き続けるパフォーマンスがアートだったり。
僕は基本的にアートに対して懐疑的だ。
特に現代アートってやつに対して。
まず、アートの範囲が広すぎはしないか?パフォーマンスがアートで、政治的なメッセージを伝えることがアートなら、デモ行進は間違いなくアートだろう。そして、たぶんクライミングもアートだ。
で、それならそれで、そういうモノとして楽しめば良いのだけど、それでも楽しみきれない部分も多い。
僕が一番気になるのは、「それ、誰でも作れるじゃん」系の作品。
もちろん、芸術界に大きな影響を与える新たな表現方法なんだっぽいことだったりするんだろうけど、そういうのを素人が楽しむのは非常に難しい気がする。
音楽の話だけど、「4分33秒」という曲がある。
ただ4分33秒間、無音が続くだけ、という作品。こういうの、何なの?と、本当は大抵の素人は首を傾げているはずだ。
キャンバスにぐちゃぐちゃって何か書いた作品。
床に石を並べた作品。
こんなの、僕にも作れるじゃん。
まあ、「芸術家の作品はホンモノでは無くて、未開の地の人や、知的障害のある人の描くものこそホンモノだ」っぽいことまで言う人もいるようだから、僕は芸術を議論する土俵にすら乗れていないのだ。
それでも、やはり優れた作品というものはあって、それは歴史が証明するのだと思う。
歴史に埋もれず、後世に伝えられ続ける作品が、結局、良い作品なのだろう。
そのような「良い作品」を手っ取り早く観ることができるのが、ロンドンのナショナルギャラリーだ。
ってことで、観てきました。

こんな僕でも楽しむことができるのか心配だったけど、けっこう楽しめました。
3000点ぐらいある展示の中で、気に入ったものを50点選べば、その半分ぐらいはポスターやポストカードとして売られている人気作品っていう感覚でした。つまり、人気のある作品は、何の知識の無い僕のような人にとっても魅力的に感じるもので、そういうのが「良い作品」としてちゃんと生き残っていくんだな、ということに感心したのです。
時代が新しくなるにつれて、「よくわからない絵」が増えていく気がして、そうすると「こんなの適当に描いてそれっぽいこと言えばいいんでしょ」という天邪鬼な気持ちが芽生えてくるだろうな、と言うのが僕の予想でした。
でも、良い意味で裏切られ、古い時代の宗教画や人物画よりも、印象派の「よくわからない絵」の方が魅力的に感じました。
予想に反して「これは僕には描けない!」という感覚がめちゃくちゃ強かったです。
例えばモネ。

遠くから見ると、まあ、綺麗な絵ではあるけど、平凡な絵との違いはよくわかりません。構図なんかも特別良いとも思えないし、特別美しい色とも思えませんでした。
だけど近付いて見ると驚きました。

ミクロで見ると、本当に適当に色を並べているだけのようにみえるのです。
水面に反射した空と、水面に浮かぶ植物をいったいどうやって描き分けているのだろう。こんな適当な感じに色を並べるだけで。
以下の写真はモネではないと思うけど、僕が感心したものです。





色を筆のタッチを変えて並べていくだけで、遠くからみると、写真とも違う、だけどリアルさのある空気感が伝わってくるのです。凄いなあ、と思いました。
あと、ゴッホの絵はそこまで凄いとは感じなかったけど、絵の具が立体的な事に驚きました。
こりゃあ実物見ないと伝わらないわけです。
で、ゴッホの絵などを見ていて思ったのですが、額がすっごく邪魔でした。
なんで額に入れるの?
絵の立体感が台無しになっている気がするのですが、そんなことはないのでしょうか?絵よりも額の立体の方が目立つという。横から厚みとかも見にくいし。
さらに、照明が上から当たっているから絵の上の方が額の影になってしまいます。例えば、3枚上の写真の空の部分が額の影になってしまい、作品の魅力が著しく下がっているように思うのですが、そんなことはないのでしょうか。有名なゴッホの「ヒマワリ」だって、1番高い位置の花が影になっていて、なんか僕の感覚的にはけっこう有り得ません。
とは言え、小学校の教科書で見たよう有名作品が、やっぱり魅力的な作品として僕にも感じることができたので嬉しかったです。
絵のことをもっと深く知りたいとも思いました。これからは積極的に美術館にも足を運んでみようと思います。
そのうち、「意味不明かつ僕にも作れそうな作品」にも魅力を感じる日が来ると信じて。
下はおまけの騙し絵。


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