海川不動川でアンモナイト探しの沢登りをした
「あれ、いつの間にか火星にいるんだけど、地形図あってる?」
「日本最強のくびれ谷」
として有名な海川不動川に行ってきました。
メンバーは、僕とチッペとリッキーという一緒に山歩きを始め、一緒に成長してきたトリオ。
楽しくないわけがない!
結論から言うと、沢は明るく極端に突破が困難な場所もなく、大人の遊園地といった雰囲気で、正直、少し拍子抜けした部分もありました。
しかし、これは先人が残した情報と残置物のおかげであって、決して自分たちの実力を過信しているわけではありません。
アプローチや下山についてはけんじりに聞いたし、詳細な遡行図もネットや書籍から入手できました。他のパーティーの記録も読みました。
それを踏まえた上での、僕たちの沢登りの記録です。
車は粟倉の村に入る分岐近くの広いスペースに駐車。同所前泊。
装備を整え、歩行開始。
3人分のギア:キャメ2番まで、小さいのは色々とりまぜ6本ぐらい。ハーケン類色々7枚。ハンマー2本。ユマール用のアセンダーとマイトラを2セット。アブミ1セット。リングボルトキット。細いスタティックロープ30m1本。スリングやビレイ器など。
最低限の幕営具と食料。ウェットスーツ上下着用。その他、常識的なものたち。
村に入ってから分岐は右に行きたくなる気持ちがあるが、左へ。舗装道が大きく左に曲がる部分で、直進する未舗装路へ。
道は徐々に荒れて、よくわからなくなって入溪。
大きな岩を乗り越えながら30分ほど歩くと堰堤に。

最初の核心部?
堰堤を乗り越えるとすぐに不動滝。

想像よりもでかい。

これは素直に高巻く。
が、泥の急斜面と藪でストレスフル。トラバースに入ってからも気が抜けず、全行程で最もリスクを感じた。そうは言ってもロープを出すほどではなく、無事に河原に降り立った。

ここからは、怒涛の泳ぎと滝登り。
だいたい、誰かが空身で突破して、全員分の荷揚げを担当。突破できないメンバーがいればお助け紐で引っ張り上げたりとか。

上の写真の滝だけは、6本ぐらいのボルト架け替えA1。抜け口奥の流木にフィックスして、フォローはユマール。

水量は多くないので、流されることが問題になることは無いです。
もちろん、滝の近くの白泡や水流変化で滝に取り付くことが難しいってことはありました。
さて、下の写真は深い釜を持つハングした1m滝です。
おそらく、この滝を水線沿いに突破した人はいないと思います。

通常は釜の手前から右岸に登って、へつるか懸垂で突破しているようです。
本来、登山は弱点をつくものだけど、既に登られているのであればより困難(または美しい)ラインを求めなければならないでしょう。
なんて言うのは半分冗談だけど(半分本気だけど)、こう言うの、どうしてもトライしたくなるんだよね。

20分ほど粘ったけど、結局登れませんでした。もう少しだったんだけど。
ウェットスーツを脱げば軽くなって登れたかもなー。

その後も独特な形状の滝が次から次へと出てきて飽きません。

火星に形容される沢だけど、そこまで異様な雰囲気には感じませんでした。
これまでにも似たようなゴルジュは体験してきたような気がします。ただし、そのクオリティーが長く継続するのが素晴らしい!

通常はA0の滝を、リッキーがフリーで突破!
登れない滝(トライすらしていないが…)を小さめに巻くと、アブキ河原に到着。
ここは素晴らしいビバーク地。
側壁は消えて、水の流れは穏やかで、樹は大きくて、ゴルジュのオアシスです。


さっそく薪を集めて火をつけて、プシュ!
こんな幸せって他に知らない。
翌朝はオアシスを離れて上部ゴルジュへ。
ここまでの登攀でギアはほぼ必要ないことがわかったので、最小限の荷物で。
ボルトエイド必須であろう4段滝の2段目にはうまいこと流木が架かっていて楽勝。

4段目の滝は念のためロープで確保。
黒く大きな淵の最奥を二条滝が塞いでいる。
淵をなす側壁がハングしている為か、ここは陽も届かない。
滝を二条に隔てるチョックストーンの下には1畳ほどのスペースがある。
爆流の裏のスペースに立つと、胸の高さに凹んだ棚に気が付く。
その奥に、何やら怪しく光る縞模様。

これを初めて発見した人はどんな気持ちだっただろう。
おそらく、最初は人工物だと思ったのではないだろうか。
しかし、それは人為的にそこに配置するのは不可能な形状で、また、手を突っ込んで岩を掘って作成することも現実的ではない。
本物のアンモナイトの化石!
海川不動川はゴルジュとしての魅力に溢れているが、この滝のこの位置に巨大アンモナイトを隠すことで、独自性を極限まで高めている。
そして、地質学者兼クライマーのN氏によってアンモナイトの真相が明らかになるのが、また面白い。彼がいなければ100年後もアンモナイトだっただろう。

帰りはプカリで楽ちん。
だけど、懸垂も2回した。

アブキ河原の岩小屋の50m下流の対岸(左岸)に、ハングした岩が見える(最後の滝を巻いた直後)。
藪を2mこぐと、ハング下に石仏がある。この右側が下山道。
地形図では100mの崖だが、踏み後を慎重に辿れば、ロープ無しで下りられる。踏み後を外れると懸垂が必要だと思う。
傾斜が緩んでから踏み後を見失い、藪漕ぎで林道まで。

今回わかったこと。
・ジップロックは浸水する。
・ヘッデンは防水ではない。
・ヘッデンが無いと寝床整地がしにくい。
・ヘッデンが無いと夜中にトイレに行けない。
・水流に対してレインウェアは不利。寒さを許容できるのであればウェットスーツのみの方が泳げるし登れる。

そんなこんなで超楽しい沢でした!
まだまだ行きたいゴルジュがたくさんあるので楽しみ!
「日本最強のくびれ谷」
として有名な海川不動川に行ってきました。
メンバーは、僕とチッペとリッキーという一緒に山歩きを始め、一緒に成長してきたトリオ。
楽しくないわけがない!
結論から言うと、沢は明るく極端に突破が困難な場所もなく、大人の遊園地といった雰囲気で、正直、少し拍子抜けした部分もありました。
しかし、これは先人が残した情報と残置物のおかげであって、決して自分たちの実力を過信しているわけではありません。
アプローチや下山についてはけんじりに聞いたし、詳細な遡行図もネットや書籍から入手できました。他のパーティーの記録も読みました。
それを踏まえた上での、僕たちの沢登りの記録です。
車は粟倉の村に入る分岐近くの広いスペースに駐車。同所前泊。
装備を整え、歩行開始。
3人分のギア:キャメ2番まで、小さいのは色々とりまぜ6本ぐらい。ハーケン類色々7枚。ハンマー2本。ユマール用のアセンダーとマイトラを2セット。アブミ1セット。リングボルトキット。細いスタティックロープ30m1本。スリングやビレイ器など。
最低限の幕営具と食料。ウェットスーツ上下着用。その他、常識的なものたち。
村に入ってから分岐は右に行きたくなる気持ちがあるが、左へ。舗装道が大きく左に曲がる部分で、直進する未舗装路へ。
道は徐々に荒れて、よくわからなくなって入溪。
大きな岩を乗り越えながら30分ほど歩くと堰堤に。

最初の核心部?
堰堤を乗り越えるとすぐに不動滝。

想像よりもでかい。

これは素直に高巻く。
が、泥の急斜面と藪でストレスフル。トラバースに入ってからも気が抜けず、全行程で最もリスクを感じた。そうは言ってもロープを出すほどではなく、無事に河原に降り立った。

ここからは、怒涛の泳ぎと滝登り。
だいたい、誰かが空身で突破して、全員分の荷揚げを担当。突破できないメンバーがいればお助け紐で引っ張り上げたりとか。

上の写真の滝だけは、6本ぐらいのボルト架け替えA1。抜け口奥の流木にフィックスして、フォローはユマール。

水量は多くないので、流されることが問題になることは無いです。
もちろん、滝の近くの白泡や水流変化で滝に取り付くことが難しいってことはありました。
さて、下の写真は深い釜を持つハングした1m滝です。
おそらく、この滝を水線沿いに突破した人はいないと思います。

通常は釜の手前から右岸に登って、へつるか懸垂で突破しているようです。
本来、登山は弱点をつくものだけど、既に登られているのであればより困難(または美しい)ラインを求めなければならないでしょう。
なんて言うのは半分冗談だけど(半分本気だけど)、こう言うの、どうしてもトライしたくなるんだよね。

20分ほど粘ったけど、結局登れませんでした。もう少しだったんだけど。
ウェットスーツを脱げば軽くなって登れたかもなー。

その後も独特な形状の滝が次から次へと出てきて飽きません。

火星に形容される沢だけど、そこまで異様な雰囲気には感じませんでした。
これまでにも似たようなゴルジュは体験してきたような気がします。ただし、そのクオリティーが長く継続するのが素晴らしい!

通常はA0の滝を、リッキーがフリーで突破!
登れない滝(トライすらしていないが…)を小さめに巻くと、アブキ河原に到着。
ここは素晴らしいビバーク地。
側壁は消えて、水の流れは穏やかで、樹は大きくて、ゴルジュのオアシスです。


さっそく薪を集めて火をつけて、プシュ!
こんな幸せって他に知らない。
翌朝はオアシスを離れて上部ゴルジュへ。
ここまでの登攀でギアはほぼ必要ないことがわかったので、最小限の荷物で。
ボルトエイド必須であろう4段滝の2段目にはうまいこと流木が架かっていて楽勝。

4段目の滝は念のためロープで確保。
黒く大きな淵の最奥を二条滝が塞いでいる。
淵をなす側壁がハングしている為か、ここは陽も届かない。
滝を二条に隔てるチョックストーンの下には1畳ほどのスペースがある。
爆流の裏のスペースに立つと、胸の高さに凹んだ棚に気が付く。
その奥に、何やら怪しく光る縞模様。

これを初めて発見した人はどんな気持ちだっただろう。
おそらく、最初は人工物だと思ったのではないだろうか。
しかし、それは人為的にそこに配置するのは不可能な形状で、また、手を突っ込んで岩を掘って作成することも現実的ではない。
本物のアンモナイトの化石!
海川不動川はゴルジュとしての魅力に溢れているが、この滝のこの位置に巨大アンモナイトを隠すことで、独自性を極限まで高めている。
そして、地質学者兼クライマーのN氏によってアンモナイトの真相が明らかになるのが、また面白い。彼がいなければ100年後もアンモナイトだっただろう。

帰りはプカリで楽ちん。
だけど、懸垂も2回した。

アブキ河原の岩小屋の50m下流の対岸(左岸)に、ハングした岩が見える(最後の滝を巻いた直後)。
藪を2mこぐと、ハング下に石仏がある。この右側が下山道。
地形図では100mの崖だが、踏み後を慎重に辿れば、ロープ無しで下りられる。踏み後を外れると懸垂が必要だと思う。
傾斜が緩んでから踏み後を見失い、藪漕ぎで林道まで。

今回わかったこと。
・ジップロックは浸水する。
・ヘッデンは防水ではない。
・ヘッデンが無いと寝床整地がしにくい。
・ヘッデンが無いと夜中にトイレに行けない。
・水流に対してレインウェアは不利。寒さを許容できるのであればウェットスーツのみの方が泳げるし登れる。

そんなこんなで超楽しい沢でした!
まだまだ行きたいゴルジュがたくさんあるので楽しみ!
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