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ガメラの唄

筑波大学附属小学校では毎年、林間学校として清里合宿が行われる。
僕は清里合宿が大好で今でもよく覚えているし、もしかしたら僕にとっての山の原点は清里合宿にあるかも知れない。

6年生の清里合宿では最終日は自由行動だった。
僕と数人の友人は赤岳に登る計画を立てたが、担任の先生はその計画を許可してくれなかった。清里にある筑附小の寮から美しの森まで歩き、県界尾根で赤岳を往復し、明るいうちに歩いて寮まで戻る。今考えるとちょっとクレイジーな計画だ。担任の先生が許可したくない気持ちも良くわかる。
図書館で山岳関係の本を読み漁り、計画書を作成し、絶対に登れる!と何回も先生を説得しようとした。
それでも「代替案を作りなさい」と言われ、仕方なく清里のプールで遊ぶ計画も立てた。

自由行動の前日の夜、各グループごとに翌日の行動予定などを発表した。
しかし、僕らはまだ赤岳登山を認められていなかったから「赤岳」と「プール」の2つのプランを発表した。そして最後に僕はこう言って発表を締めくくった。

「もしも赤岳に登れたら一生の思い出になると思います。」

全グループの発表が終わった後、先生やコーチが集まっている部屋に呼び出され、赤岳登山の許可がおりた。

清里合宿には担任の先生の他に雇われたコーチが同行していた。
そのうちの1人がガメラだ。本名は知らないが、面白いおっさんで、キャンプファイヤーの前でギター片手に唄っていた。
ガメラは「キャンプのおまじない」と言う唄を教えてくれた。苦しい時はこれを唄うんだ、と。もうどんな唄だったか忘れたけど、ワンフレーズだけは良く覚えている。と言うのも替え歌にして、みんなで笑っていたから。その替え歌の歌詞は「がんばってばてたらばかやろう」。

「がんばってばてたらばかやろう」のフレーズはずっと僕の耳から離れず、今でも時々口ずさみながら山を歩いている。そして、あの時の赤岳を思い出し、バカ野郎でもいいから頑張ろう、という気持ちになる。


週末は山岳医療パトロールの2回目でした。今回は僕たち山岳医・看護師の他に見学でWMAJ (Wilderness Medical Associates Japan)から3名の見学者がいらっしゃり、そこにヤマケイの取材とテレビ東京の取材を加えた9名パーティーとなりました。土曜日の早朝、登山口でお互いに自己紹介をして登山開始。
最初は調子良かったものの、しばらくするとWMAJの一名が遅れはじめました。
「確か、Y沢さんって自己紹介してたよな…。このペースじゃ予定通りのパトロール活動は無理かなぁ。」なんて心の中で思いつつ、Y沢さんのペースに合わせてゆっくり歩きました。
ペースは遅いものの、Y沢さん含めてWMAJの方々はみんな陽気で愉快で、長いはずの黒戸尾根もずっと笑いながら登っていたような気がします。

七丈小屋に到着した時には既に昼頃だったので山頂は諦めて、小屋周辺でアンケート調査を行いました。しばらくすると雨が降ってきたので小屋に撤退。夕食まではお喋り(取材?)なんかしながらゆっくり過ごしました。
Y沢さんは普段はネイチャークラフト教室をやったり小学生キャンプのコーチをやったりしていることがわかりました。
そしてWMAJメンバーからは「ガメラ」と呼ばれていることも…!

「あの…Y沢さん、この唄、知っていますか?」

…がんばってばてたらばかやろう…

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赤岳から20年に経ち、また甲斐駒で会えました。
小学生だった僕は、その時のガメラの年齢になりました。
ガメラはもともとおっさんだったけど、もっとおっさんになりました。

担任の先生はお元気だろうか?
あの時、一緒に赤岳に登頂した友達はどうしているだろうか?

これからも「キャンプのおまじない」を唄いながら歩いていきます。
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国際認定山岳医に求められるモノ

3連休は山岳医の資格検定のお手伝いでした。
山岳医の資格は国際的な基準があって、それらに合格する必要があります。
国際認定山岳医のコンセプトは「救助活動現場で活動できる医師」です。医師としてどんなに有能でも、現場に行くことでリスクが上がってしまっては本末転倒です。逆もまたしかり。

今回は主にロープワーク技術の検定です。ジムだとこなれた感じでロープを扱う受講者も、山に入ると上手く対処できなかったりして、普段山でロープを使うような登山を行っていないことがバレてしまいます。



なので多くの受講者は一生懸命練習します。
受講者どうしで山に入って実践的なトレーニングを行う人もいます。

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そう言う熱心な受講生はおそらく近い内に全講習に合格し、無事に国際認定山岳医になれるでしょう。
しかし、問題はこの先です。

山岳医としてどうやって社会貢献するのか。

せっかく救助現場で活動できる能力が認められているのに、現在の日本では実際に救助現場に医師が行く機会は殆ど有りません。
なので山岳医は、より総合的に「日本の山岳医療向上」を目指さす必要があります。
検定では登山技術や医学知識が求められますが、それらを通じて、日本の山岳医療の問題点や改善できそうなところ、山岳医として何かやれないか、などを考えてほしいと思っています。

現状では、山岳医の資格があるだけでは何も行うことはできません。
将来、山岳医が社会的に認められるためには、今は一人一人が山岳医として自覚を持って主体的に行動を起こすことが大切でしょう。
例えば「救助現場に山岳医を送り込むようなシステムを構築したい」と思ったら、どんな行動を起こすべきか。おそらく1人では出来ないので仲間を見つけ、コネクションを駆使し、学会内外での発言力を強め…、そう言う一見山とは関係なさそうな地味な作業を延々と行う必要があるかと思います。

国際認定山岳医に求められるモノをもう少し具体的に挙げてみます。
1.全ての検定に合格できる技術と知識と体力
2.山岳医として学会で演題発表できる能力
3.諸外国の山岳医とディスカッションできる英語力と度胸
4.学会内外でコネを作れるコミュニケーション力
5.これらを無償で磨き続けるモチベーション

自戒を込めて、おらっちガンバ!

瑞牆で「金のわらじ」「百獣の王」などを登った

「画竜点睛」(5.12d)をやるつもりで瑞牆に行きました。
そしたらなぜか核心部分がビチョビチョでした。これが通常で、前回が異常に乾いていたのだろうか…。
午後になって急激に結露し始め、チッペのアルカイックスマイルもどうしようも無い感じ。

しょうがないので5匹のワンコに遊んでもらいました。



それまで全く興味無さそうに丸まって寝ていたのに、飼い主さんがフォールした瞬間に「ワンワン!」と吠えたてていました。
心の中ではしっかり応援していたんだね。

何もやらないのも嫌なのでオンサイトにとっておいた「百獣の王」(5.11c)にトライ。
正直、このグレードならオンサイトできると思っていました。が、普通によれて普通に失敗。
2便目でレッドポイントして、あとはトレーニングで何回か登ろうと思っていたら、雷と土砂降り。ヌンチャク回収も諦めてキャンプ場に避難。

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しばらくすると天気回復。だけど、今更戻る気もせずそのまま宴会に突入。
後から知ったことだけど、多くのクライマーはちゃんと暗くなるまで楽しんでいたようですね。
登ればいいってもんではないけど、やっぱり岩に触っている時間、山に入っている時間、努力している時間が強さに繋がる気がします。モチベーション上げていこう!
(肉部活動に対するモチベーションは高めに維持されています)

IMG_1842.jpg

翌日、クラックは濡れているのでカサメリ。
以前オンサイトに失敗した「金のわらじ」(5.12a)をレッドポイントし、「医者の娘」(5.12a)にオンサイトトライ。
はい、「漁師の娘」(5.11c)で落ちましたよ。もう、なんか、嫌になっちゃうね。
「どんな5.11でも落ちないクライマー」への道はまだまだ遠い。

「医者の娘」はカンテを使うと5.12aなんだけどオリジナルは使わずに5.12bとのこと。
カンテに逃げると、そこでほぼ終了なのでやはりカンテは使わない方がルートとしては充実しそう。
という事でオリジナルのラインを探るも、かなり悪く解決できず。

そんなこんなで三ツ星ルートを3本登ったけど、3本ともオンサイトを逃した週末でした。
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