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塩沢右俣に行ってきた

週末は塩沢右俣に行ってきました。
前から気にはなっていたものの、難易度の高さやアプローチと下降の面倒くささから今まで避けてきました。
しかしカナダアイス修行の成果を確かめるには丁度良い課題かと思い、行ってきました。

アプローチは先行パーティーのトレースのおかげで楽勝でした。
自分たちでルーファイ&ラッセルしていたらかなり時間がかかったと思います。先行パーティーの実力を推し量ることができました。
3時間ぐらいで二俣到着。

テントは50mぐらい右俣に入ったところ。
先行パーティーはジャスト二俣って感じのところに張ってました。超快適とまでは言えないけど4人テントなら何か所か張れるところはありました。



翌日に備えて右俣偵察。
雪の積もった倒木ゴーロで歩きにくい。徐々に傾斜が強まり、なんとなく氷っぽい雰囲気になってきたところで偵察終了。あとから振り返れば雪に埋まったF1でした。
途中で水汲み。水は二俣の下か右俣を10分ぐらい登れば汲めます。今回は雪が多かったので作ることも可能。

さーて、テントで鍋するかー、と思って下流を見ると、先行パーティーが焚火している!
ってことで僕たちもそそくさと薪を集めて焚火開始。寒いけど暖かい!ソーセージを焼いて食べました。
雪中焚火は初めてだったけど、底が掘れてきちゃって火が中に籠ってしまい外まで熱が伝わりにくいので工夫が必要だと感じました。要練習。
暗くなるころにテントへ移動。安定の青鬼。
(ちなみに先行パーティーにも青鬼のメンバーが居ました)

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翌日は3時半起床、5時半出発。リードは全てその場のじゃんけんで決定。
F1は雪の中。
F2、夜が明ける前にペコマリード。ヘッデンでアイスクライミングは初めてだったけど、そんなに違和感は無かった。
F3、明るくなった。チッペリード。
F4、フリーソロ
F5、ペコマリード。水が流れる滝を薄く氷が覆ったような抜け口でどうやって突破すればよいのかよくわからない。カナダではこんなの無かった。
F6~F9、フリーソロ
F10、チッペリード
(まっちゃんはじゃんけんで勝てずリードなし、カナダアイス修行の成果はこの辺で発揮された)

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登攀終了14時。
下降はF10、F9?、F5、F3、F2で懸垂。あとはクライムダウン。パーティーによってはもう少しロープ使うかも。
テンバ17時。駐車場20時半。15時間行動お疲れさまでした。

カナダアイス修行の成果があったのかどうかは正直よくわかりませんが、少なくとも塩沢右俣をプレッシャーを感じることもなく楽しく標準タイムで登れたと言うのは実力がついた証拠だと思います。
大寒波がきていて寒かったし、雪も多かったので条件としては必ずしも良かったとは言えないと思うけど、それでも楽しく登ることができたのは極寒のカナダでの経験があったからでしょう。

帰りはまっちゃんがぶっ飛ばして日付変更ぎりぎりで帰宅。
充実の週末でした。
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カナダでアイス修行(6日目~11日目)

カナダでアイス修行をしているのですが、今日が最終日。
明日は飛行機に乗って日本に帰ります。

5日目までについては既に書いたので、今回は6日目以降の話。

1月2日
lake louiseのlouise fall(115m,WI3 + WI3 + WI4-5 +WI4)へ。

6.jpg


高山病スコアのLLS(Lake Louise Socre)の会議が行われた場所。完全に観光地。
寒かったけどちゃちゃっと登って終了。
近くの小さな(80mぐらい!)滝もついでに登った。
いつも通り「フォー!」ってコールすると観光客の外人が下から「イェー!フォー!」って返事するので使えず。

1月3日
レスト。
カルガリーのMECで買い物とジム。キャンモアのジムよりずっとまとも。

1月4日
weeping wall のright hand(160m, WI4 + WI5 + WI5)へ。
今回の修行の中では最難課題。
朝、駐車場でice lineの著者のBrentさんに会った。「今日どこ登るの?ちなみに今何度?」って聞かれた。えっと-30℃。
先行パーティーの影響などもあり完登ならず。氷柱にスリングを巻いて懸垂。
それにしてもでかい!

1月5日
haffner creek再訪。
前回気になっていたsleek(M8)にリードでトライ。
このルートはドライのハングからつららに乗り移る、いかにもって感じのミックスルート。
ドライパートはなんとか超えられたものの、アイスのハングでソーパンピー!スクリューなんて打てるはずもなく敢え無くテンション。
トップロープで登っておきました。

1.jpg

この後、一体靴を履いた強いクライマーもリードで登っていたけどアイスパートではプロテクションをとらず。
…そういう事なのか。
ミックスを色々と登って終了。

1月6日
weeping wallのright handにリベンジ。
核心ピッチはじゃんけんの強いチッペがリード。80mも伸ばした。ロープは70mなのでWI5で同時登攀に。きっとフォローの僕が一番緊張した。
写真は1p目の僕。WI4. 50mを20分でリードするのが目標だったけど実際は40分かかった。課題はスピードだと思う。

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そして完登の一枚。
お疲れさまでした。

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1月7日
Cascade Waterfall(300m. WI3-4がたくさん)へ。
歩きの間にWI3ぐらいの滝が続くルート。黄連谷右又だと思えばOK(行ったことない)。



3.jpg

快適に登って終了。
WI4ぐらいまでならストレスを感じることなくリードできるようになったと思う。
そして「落ちない自信があるからランナウトを許容できる」と言う理想的なスキルとメンタルを身につけることができた。
あとはスピードだな。

最終夜なので明るいうちから街へ繰り出し、人気のpizza屋へ。
夜は全て外食したので、キャンモアで気になる店は全部行けた感じです。あ、ちなみに朝は全部自炊で、昼は全部行動食です。

5.jpg

そんなこんなでカナダアイス修行は終了です。
とりあえずアイスに関しては「一応登れます」って言える程度にはなったと思います。久しぶりに「成長できた」ことを実感しております。10日間登ったので日本の5週間分だもんね。
さて、これを山の中で発揮できるかどうかが重要ですね。

あと、カナダがすごく好きになりました。
スキーもしたいし、スコーミッシュも再訪したいし、今回眺めた山々のピークにも登りたい。ついカッとなってバフィン島のトポも買ったし。

山と出会えて人生が本当に豊かになっているなぁ。
まだまだやるぞお!
おらっちガンバ!

あけおめことよろ。2017年の抱負とカナダの生活。

明けましておめでとうございます!
今年もよろしくお願い致します。

さて、2016年の年明けは「精神と時の島」でした。
その時の抱負として、

①山に登る
②ボルダリング強化
③走る
④研究者として勉強する
⑤さらなる飛躍の準備
⑥居心地のいい家にする

の6項目を挙げていましたが、

①に関しては達成したとは言えませんが、そのかわりNOSE登攀成功と言う大きなイベントがあったのでまあ良いでしょう。
②は左手を痛めたせいで最近は十分に登れていないけど、一年間で考えれば少しは成長したかも知れません。
③に関しては通勤ランを実践しているし、トレランの大会にも出ました。フルマラソンも目標に掲げていたけど、これは達成できず。
④は大学院生として勉強しております。
⑤もまあそれなりに。
⑥僕にとっては居心地がいいです。

これを受けて今年の抱負。

①研究者として成果を出す
1つは高山病レビュー論文を発表すること。僕が専門にしている高山病に関しては、生理学や臨床的な話題を中心としたレビューはあるものの、分子生物学的メカニズムに焦点をあてたレビューはありません。誰もやらないなら俺がやる。ってことで、今年中にこれをまとめちゃいます。
2つめは博士論文の目途をつけること。レビューを書いても博士にはなれず、博士論文のための実験をして結果を出さなければなりません。2年後に留学したい(カナダかスイスを検討中)のでそれを考えると今年中に博士論文の目途をつける必要があります。この研究が高山病のメカニズム解明に少しでも役立つのであれば最高です。

③登る
登ることは重力に逆らう行為なので、エネルギーを必要とします。つまり登る意思が無ければ登れないのです。今年はこれまで以上に登ることに集中します。具体的な目標等は別の機会に。

④走る
山の基本は体力です。心肺機能と山での体力が全く同じとは思わないけど、心肺機能を高めることは山でも非常に有効だと感じています。実際に島で走るようになってから山での活動が楽になりました。ということで通勤ラン継続。トレランとフルマラソンの大会も1回ずつでいいから出場したい。

⑤山岳医療発展に向けた行動をする
日本は山岳環境に恵まれた国なのに、残念ながら山岳医療が充実しているとは言えません。山岳医と言う資格があるものの日本では何の実効力もありません。これでは山岳医制度の存在意義が無いし、山岳医療の世界標準から遅れをとってしまいます。これを何とか改善するような活動をします。

以上5項目が今年の豊富です。

さて、今はカナダでアイス修行中ですが-30℃では寒すぎるので今日はレスト。

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生活面での写真を少々。

街のウサギ。
逃げない。



街のジム。
リードするにはテストに合格する必要がある。来てる人のほとんどが初心者で子供から老人まで。ちなみにアイスゲレンデもそんな雰囲気。日本のストイックな雰囲気は皆無。

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街のレストラン。
基本的にアメリカより旨いけど日本よりはまずいと思う。高いけどサービスはそれなりに良い所が多い。

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明日からは寒さが緩むので少し難しいルートにも挑戦しようと思います。
おらっちガンバ!

カナダでアイス修行(~5日目)

カナダにアイス修行に来ています。
1月1日の今日はレスト日なので記録をまとめる。

12月28日17時頃成田発
12月28日10時頃カルガリー着
レンタカーを借りてカルガリーのMEC(アウトドアショップ)へ。でかい。ハーネスとアックスなどを現地調達。
宿泊地であるキャンモアへ。

12月29日
キャンモアから10kmぐらいのGrotto Canyonへ。
トポに「アプローチでアイゼン必要」とあって、なんのこっちゃと思ったら、こんなんだった。



まずはGrotto Falls(55m, WI3 + WI3)。
マルチピッチアイスの入門ルート。
ビレイポイントはこんな感じ。すごい安心感。

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Hers(15m, WI4)
Sketch and Sniff(12m, M6+)
の周辺で色々とラインを変えて遊んだ。

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12月30日
キャンモアから50kmぐらいのEvan Thomas Creekへ。
まずはMoonlight(100m, WI3 + WI4-5 + WI3-4)。

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アイスって溝の中にあるとが多いけど、Moonlightは岩の表面の発達したベルグラと言った趣で素晴らし露出感。
核心は2ピッチ目だけど人気ルートのため穴だらけで簡単。むしろ長い1ピッチ目で手が冷えた。
カナダには「残置Vスレッド」が一般的に用いられている(日本でもそうなのかな?)。懸垂はこれらを利用すると楽ちん。ちょっと怖いけど。

次にChantilly Falls(100m, WI2 + WI2)
これは完全に溝の中。これはこれで楽しい。爽快に駆け上がれる。60mロープだと3ピッチで登るのがいいと思う(70mロープならうまい具合に棚まで辿りつける)。

12月31日
キャンモアから50kmぐらいのhaffner creekへ。
アイス天国のゴルジュ。

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この写真はエリア全体の3分の1ぐらいしか写っていません。長さは15mぐらいしかないけど、初心者から上級者まで気軽に楽しめるゲレンデ。アプローチも15分ぐらい。
WI4程度を登ってからミックスやドライルートで遊んだ。

Californication(M7-)
Shagadelic(M6+)
Mini Me(7)
など。

1月1日
レスト。
ってことでこれからクライミングジムに行ってきます。

たった3日しか登ってないけど、それでもだいぶアイスクライミングに慣れてきたような気がします。
僕のレベルだと登れば登るだけ上達できる段階だと思うので、とにかく量を増やすことを念頭に頑張ります。
明日からはマルチアイスとゲレンデを交互に登る予定。
おらっちガンバ!
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いつも笑顔のペコマです!

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