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精神と時の島での修行を終えました

せっかくのシルバーウィークを雨に翻弄されている皆さんこんにちは。
おかげで島でも心安らかに過ごせております。

さて、本日の24時で精神と時の島での修行が終了し、明日からは大学院の学生になります(島を脱出するのは明日の午後)。
島での修行の成果のほどは、と言いますと、冒頭の挨拶でもわかる通り、相変わらずヒネくれた器の小さい見栄っ張りのクズ人間である事には変わりありません。島での修行も僕の歪んだ人間性を改善するには至らなかったと言うことです。



そうは言っても成果が無かったわけでもありません。

第一に、妻の優しさを知りました。
唯一の連絡手段であるlineで何度も僕を励ましてくれたし、家に帰った時は毎回お帰りなさいパーティーを催してくれました。正月には様々な食材や本などが詰め込まれたスペシャルボックスを送ってくれました。
この島で充実した修行が出来たのは妻の支えがあったからです。

第二に、走るのが速くなりました。
今までの人生で1番速く走れます。100mとかはわからないけど、400m以上なら絶対に今が1番です。
そのおかげで山での行動の可能性も広げられるような気がしているし、トレランやマラソンの大会にも出てみたいなあと思えるようになりました。自分の成長を何らかの形で表現できたら嬉しいです。

第三に読書の楽しさを知りました。
これはここ数ヶ月の事ですが、だいたい1日1冊文庫本を読みました。仕事とか研究以外で100冊ぐらい読みました。今は本格ミステリーが面白いと感じています。今後はこんなペースで読めることはないと思うけど、島での読書体験は今後の人生を豊かにするものだと感じています。ゆっくりでいいので読書の習慣は続けたいものです。

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第四に英語能力が向上しました。
精神と時の島で最もモチベーション維持に苦労したのが英語学習です。毎日のノルマを決めて淡々とこなしていくようなそう言う勉強です。なので、米軍が島を訪れた時は喜んで喋りに行きました。朝まで飲み明かし、我が社と米軍の文化の違いも大いに楽しみつつ英語能力を鍛えました。
まだまだ実用できるレベルには程遠いですが、英語でのコミュニケーションを「楽しい」と感じられるようになったのは大きな成長でしょう。

第五に保持力がアップしました。
フィンガーボード等を用いた指ぶら下がり系の保持力トレーニングは初めて行ったので、大きな成長がありました。このトレーニングはタイム計測することで客観的に成果が見え、モチベーション維持もしやすく、毎日楽しくぶら下がっていました。
出島時にジムで登ると、予想通り指系の課題はかなり登れるようになっていて、これは外岩での成果に繋がるんじゃないかと楽しみにしています。ただし、スローパーやピンチは弱くなっているように感じるので、これからガンバです。

第六に緊急患者の対応力が上がりました。
ま、これは仕事の話なので「精神と時の島」での成果と言うよりは「IW島」での成果と言うべきでしょう。
ただ、この経験が今後の山岳医としての活動に活かせることは間違いありません。

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以上が修行の成果です。
修行とは関係ない部分でも様々な楽しい体験をしました。
我が社の特性上、なかなかリアルタイムで僕の体験を語れないのが残念ですが、この島ならではの思い出がたくさんあります。

明日からは全く違う生活が待っていますが、精神と時の島で身につけた能力を存分に発揮できるような、そんな生活にしていきたいです。

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チッペが猫を「持ち帰ってきてほしい」と言うのだけれども、僕のスーツケースにその余裕はありませんので写真だけ。
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旭山動物園に行った

先日、ふっと思い立ち、北海道の旭山動物園に行きました。

展示方法の工夫については、あえて知ろうとしなくても事前にたくさんの情報が入ってきてしまったので、「オンサイトの楽しさは半減してしまうかな?」と言う気持ちがありました。
だから、あんまり期待し過ぎないようにしていたんだけど、見事に裏切られました。

「展示方法」は想定内であっても「引き出された動物たちの魅力」は想定外でした。

特にテナガザルとキョンの檻。
なぜテナガザルとキョンが同居しているのかについてはここでは追求しませんが(どちらもクライマーにとって重要な動物だから、と言う事では無いと思いますが…)、テナガザルの運動能力には本当に驚きました。

例えばリスのような小動物が機敏に動く事に違和感を感じる事は無いですが、人間の子供ぐらいの質量があるテナガザルによるあたかも空中で停止するようなアクロバティックな動きは不自然で不安定で、なんだか心配になってしまいました。落ちるんじゃないかと。

木の枝に見立てた直径3センチぐらいの鉄棒から鉄棒へ飛び回っている時は安心して見ていられても、時々混ざっている直径10センチほどの鉄棒に向かって飛ぶ時は気が気ではありません。凄いスピードだからサルがどれだけ目標物を確認しながら動いているかわからないし、片手が何とか届くような距離だし、何より彼は既に地上10メートルの空中に放り出されているのです。
直径10センチの鉄棒に手は届くけど、体の振られにスローパーでは耐えられず、慌ててもう片方の手を寄せてくるが重力による体の落下に間に合わず手は鉄棒の下をかするだけ。振られた勢いで頭を下にして墜落する。そんな様子が頭ををよぎり、あっ!っと声をあげるのだけど、サルは何事も無かったようにウンテイ遊びを続けているのです。
停止する時は前方へのエネルギーを腕を軸とした回転に変えて1回転半。鉄棒の上に座ってこちらを見下ろします。

テナガザルの子供は親にしがみついて離れようとしません。親が無理矢理引き離すと、コザルはまるで高い木から降りられなくなった人間の子供(もしくは初めてトップロープでロワーダウンする大人)のように恐怖感を露わにして震えながら鉄棒にしがみついてギャーギャー泣いています。こんなコザルが数年で自由自在に飛び回れるようになるなんて信じられません。

あとは黒ヒョウはサルと比べたら遥かに鈍臭かったし、空飛ぶペンギンはこうなった経緯を知っているから感動的だし、カバのウンコはけっこう派手に飛び散る事を知りました。

そして、シロクマの餌やりでは、動物園のスタッフが環境保護について訴えていました。

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動物園で環境保護を訴える?動物を檻に閉じ込めて金儲けの道具にしている奴らが?
そんな事を言う人もいるでしょう。
でも、動物園だからこそ伝わる真実や願いがあります。動物園だからこそ考えさせられる動物や自然に対する向き合い方があります。動物園だからこそ感じる事のできる人間のエゴや自然の深さがあります。

動物たちの幸せを望むのであれば、動物園なんて言う残酷な施設を無くすべきだ。
可哀想な動物たちの姿を見せたくないから、子供は動物園に連れて行かない。
動物園は動物虐待を助長する。
岩にボルトを打つなんてけしからん。自然破壊だ。(←ちょっと混ぜてみた)

そういう事を言う人に本当に動物や自然が好きな人がいるのでしょうか?
昆虫標本は可哀想?
押し花は可哀想?
焼肉は可哀想?
米は可哀想?

旭山動物園で展示されている個体はみんな生き生きしていました。
テナガザルを始め、多くの動物たちに楽しませてもらいました。
また来たいです。次は冬だな。ふふふ。



赤石沢に行った

先週末は赤石沢に行きました。

8月に行った黒部川上ノ廊下は水量が少なくて拍子抜けだったので、今回の赤石沢には期待していました。
その結果、僕のカメラは蓋が開いて水没、チッペのカメラは紐が切れて滝つぼに水没、と言う期待以上の厳しい沢だったのであります。ということで写真はiPhonのみね。

でも僕は知っています。
写真では自然の迫力や美しさは1000分の1も伝わらないことを。
ネットで山とか沢の写真はよく見るけど、実際に行くと写真からは想像もしなかったような素晴らしい景色に出会うという経験は皆さんもしょっちゅうしているでしょう。

さて、どうしても直前に行った黒部と比べてしまうけど、僕にとっては上ノ廊下よりも遥かに楽しい沢でした。
黒部のような単調な河原歩きは無くて、永遠に泳ぎとボルダリングを楽しめます。そして赤いラジオラリアがかわいいの!
はじめは時々転がっていたラジオラリアだけど、上流に行くと、もう沢全体がラジオラリアで構成されてるの。同じ赤でも微妙に色合いとか模様が異なっていて、ローストビーフ色の岩とか見つけると幸せなの。

7時ぐらいの臨時バスに乗車。
本日の入渓者は我々2人だけのよう。準備して入渓。

入渓してすぐに釜と滝の連続。とりあえず、はしゃぐ。
釜とか滝とかありすぎて何が何だかよくわからんけど、基本的には泳いで滝を登るスタイルを優先しました(ストロングゴルジュスタイル)。通常は巻くであろう釜と滝も突破できたりして充実しました。

巨大ボルダーの迷路を抜けていくと間もなく取水口に到着。約5時間。
ちょっと単調になってきたと思うと「門の滝」が現れる。これは流石に高巻くしかない。50mロープ3ピッチ使って巻いた。難しくは無い。

「門の滝」を巻き終わって河原に降りて、少し下流に戻ったところでビバークすることに。
マキは超豊富。チッペがイワナも釣ってくれたので、最高のビバークでした。

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翌日は岩の隙間をA0で突破からスタート。
ここも難しくはないけど、デブは突破不可能でしょう。

その次の「大ガラン」通過が僕にとっては核心でした。もしも滑ったら死ぬしかないような斜面のトラバース。プロテクションがとれないからロープも出せない。チッペはハンマーで足場を掘って進んでいきました。もしも初心者が一緒にいたらどうやって通過したらいいのか。あ、初心者を連れてきちゃダメなのか。

次はゴルジュの高巻き。
本当はゴルジュストロングスタイルを追求したいが、この日は山小屋に泊まらないといけないので諦める。
高巻きの途中で間違えて懸垂下降をしてしまい、登り返し。30分程度のロス。

水量も少なくなって「楽しい場所はもう無いかなぁ」なんて思いながら歩いていると、突然、巨大な釜が出現。
遡行図には「イワナの大釜」とある。ちょっと釜を覗くと、居る居る!巨大なイワナがゆったり泳いでる!
竿を振れば1分に1匹釣れるので、食べる分だけ捕ってあとはリリース。
ここから上流はイワナの桃源郷。足元をヒュンヒュン魚が走る。
ビバーク適地もいっぱいあって、今日、小屋まで行かないといけないのが残念で仕方がない。次回は絶対に沢中2泊する。



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百間洞沢に入るとラジオラリアは消えてしまう。
時々滝とか現れるものの、もうトキメクような景観は無い。黙々と小屋を目指すだけ。

百間洞の小屋には14時頃到着。
受付して、夕食まで装備を乾かす。本日の客は4人だけ。夕食も美味しくて満足。

翌日は4時出発。天気予報は悪かったけど、予想外に素晴らしい景色を楽しめました。

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赤石山荘に到着時点で8時30分。
おや?あと2時間で下れば10時30分のバスに間に合うじゃん。ってことで走って下山。
コースタイム3時間30分のところ、1時間15分で降りた。最後はチッペに置き去りにされた。チッペ強すぎる。僕の足は棒だよ。

そんなこんなで16時過ぎに自宅に帰り2人でプシュ。
あー楽しかった!
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いつも笑顔のペコマです!

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