NOSE敗退で考えた事

NOSEは敗退した。
(記録は「尾根の向こう」をご覧下さい)
エルキャップタワーでロープを1本落としたからだ。
しかし、直接的な原因はそれだけど、それに至る小さなミスや心の動きはたくさんあった。
一番の原因は僕の心の弱さにあったと思う。
4ピッチ目までのロープFIXで、僕たちの実力の無さを思い知った。
もう少し正直に言えば、チッペの登攀スピードが予想以上に遅かった。
僕とタカ氏でガンガン攻めれば登れるだろうとも思った。
だけど、それでいいのか良く分からなかったし、なんだか自分たちの力で登ったって感じも薄れてしまうだろう(タカ氏もそこら辺は考慮してくれ、僕たちの計画に口を出すことはほとんど無かった)。
それで僕は「来年、もっと力をつけてから出直してもいいのではないか?」と感じていた。
この僕の気の迷いが、パーティーの足を引っ張ってしまったのは確実だ。
僕は、比較的慎重に山に登る方だと思う。
基本的に起こり得る最悪の状態を想定して行動しようとしている。
その結果、弱気になって敗退する事が多い。
それなのに、悪いピッチなどでは突っ込む事も多い。例えば落ちれば死んでしまうような状況の時でさえ。
5.9ならまず落ちることは無いから突っ込める。
これは強さの一つではあるけど、リスクが高い事に変わりは無い。
camp4の焚火の前でタカ氏に言われた。
「ルートに対しては強気で、ピッチに対して慎重に挑むべきです」
なるほど。
僕は、これが逆なのだ。
NOSEという大きなものに対して慎重になりすぎ、各々のピッチや細かい作業などがいい加減になってしまっている。
本当は、自信を持ってNOSEに挑み、一歩ずつをより慎重に、確実に登っていくべきだったのだ。
さて、今年の冬は何をやるか?
12月に甲斐駒継続を考えていたが、やっぱりこれはやめようかと思っている。
これはもの凄く魅力的なラインだけど、タカ氏が考えた登山であって、僕の登山ではない。
今の僕には実力も合っていないので、結局、弱気な気持ちで挑むことになってしまいそうだ。
その代わり、冬休みにチッペと2人で、自分たちで計画した山行をするつもりだ。
僕にとって熱いラインを北アルプスに引こうと思っている。
やっぱり自分で計画を練っていると、ドキドキしてワクワクして、やってやろう!って気持ちになる。
このルートに対しては強気で計画しよう。
そして安全第一でピッチを刻もう。
やるぞー!
おらっちガンバ!
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