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ノルウェーのロフォーテンでクライミングをした

7月28日から8月5日でノルウェーに行ってきました。
ロフォーテンでのクライミング記録は日本語では殆ど無いので、1本ずつ個々の記事で詳しめに書きます。
この記事は全体総括。

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北欧は昔から行ってみたい地域でした。
小さい頃は豊かな自然に憧れて、学生の頃は進んだ社会制度に興味を持ち、今はフィヨルドから聳える岩山に惹かれます。
北欧諸国でもノルウェーを選んだのは、イタリアでTさんからロフォーテンの存在を教えてもらったから。調べてみると出てくる出てくる、素晴らしい景勝地だと。洋上のアルプス、世界で最も美しい村、アナと雪の女王の舞台…。クライミングの情報も英語であれば豊富で、かなり質の良いマルチピッチが楽しめそう。さっそくトポを購入し、ノルウェー行きが決定しました。

ノルウェーではクライミング以外にキャンプも楽しもうと計画しました。

ノルウェーには「国民は自然を楽しむ権利がある」と言う概念があって、キャンプやハイキングは誰でもどこでも自由にできます(もちろん牧場でのキャンプ禁止などルールはあります)。特に今回滞在したHenningsvær周辺はノルウェー国内は元より世界中からアウトドアライフを楽しむ人々で溢れていて、そこかしこにテントが張られていました。川上村全体が廻り目平って感じです。いや、ロフォーテン全体で考えれば山梨県全部が廻り目平って雰囲気です。自由に使えるピクニックエリアが道路脇に無数に存在し、海岸の岩畳や、崖の上の草地などキャンプ適地が永遠に広がっています。それらのどこからでも素晴らしい景観が楽しめます。
最近は観光客の増加によるオーバーユースが懸念されているようですが、それでもテントの間隔はどんなに近くても10m以上は離れているし、ゴミなんか全く落ちてないし(公共のゴミボックスが充実している)、トイレも公共と海とで十分足りているように感じました。

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金曜日に成田を出発し、ドバイ経由で首都オスロへ(なぜかビジネスクラスにアップグレード!)。オスロから国内便でTromsøと言う北極圏最大の街に飛びました。ロフォーテンだけでなくTromsøを訪れた目的は2つ。
1つはMackビールと言う最北のビール醸造所併設バーで呑むこと。
もう1つは是非登ってみたい壁を見つけたので。
クライミングの記録は別記事で書くのでクライミングの内容は置いとくとして、ここではノルウェーの自然を楽しむスタイルを感じ取ることができました。

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2時間のアプローチをこなした稜線上のコルにクライマーが管理している小屋があって、その周辺でクライマーたちがビバークしていました。テントやツェルトを張っている人は居らず、それぞれ好きなところでシュラフに包まっているのです。いつも僕たちがやっている日本だとちょっと浮いちゃうスタイルがここでは当たり前でした。
僕たちがクライミングを終えて取り付きに戻ると「ヘイ、クライミングは楽しめたか?俺たちは今から登るよ!涼しいからね!」などと言うクライマーが。既に20時だと言うのに。これが白夜の自然王国での楽しみ方なのです。
下山後、隣のクライマーを見習って、僕たちも車脇でオープンビバーク。トナカイが草を食むのを眺めながらmackビールを愉しみました。

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翌日から本来の目的地であるロフォーテンに移動しました。時間が限られているのでロフォーテンでの目標ルートは3本に絞っていました。
ロフォーテン最大の町Svolværで昼食をとっていると、カフェの窓から目標ルートの1つ「ヤギの耳」が見えたので早速登りに行きました。このルートはヤギの耳の間をジャンプして飛び移ることで(観光客の間で)で有名です。初心者でごった返していてクライミングとしては快適とは言えないけど、名所観光で一回は登っておかないとね。

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ロフォーテン2日めは「世界で最も美しい村」として知られるreineへ。キャンプ地から100kmぐらいドライブです。その間、ずっと物凄い景色を楽しめます。なんと言っても海が綺麗!
目標ルートはreine村の近くの広大なスラブです。スラブなのにボルトは皆無で恐ろしいランナウトの連続。トポにも心臓さよならマークが付いているけど、その通りでした。脆い部分とか非合理的なラインどりを強いられたりとかで、精神的に疲れるルートでした。

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翌日は天気予報が微妙なのでレスト。朝は美しい砂浜で海水浴をして、そこがあまりにも気持ちの良い場所だったのでそこでキャンプすることに決定。雨が降る前に短いマルチで遊んで、雨の間にスーパーで買い物して、雨が上がったらBBQして、そのまま寝た。

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そしてロフォーテン4日目。目標3本目のルートvestpillaren directを登りました。
スッキリした500mの壁はロフォーテンの中でも最も迫力があります。さすがにEl Capitanとは比べられませんが、ヨセミテにあっても存在感を発揮できるレベルです。ビレイ支点以外に残置物は一切無く(これはロフォーテン全体に言えることだと思います)、素晴らしいルートでした。
グレードは5.10c程度なので突破に苦労するような部分は無いけど、50m近いクラックが連続して決して楽なクライミングでも無いです。高度を上げるに従って見える世界が広がっていき、山頂ではは見たこともない風景に圧倒されました。
ロフォーテンを訪れる方は必ずトライすべきルートだと思います。

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タイミングよく天候が崩れ、翌日は早朝から移動。最後の町Bodøへ。
1週間ぶりにホテルでシャワーを浴びてレストランで食事をして部屋でYouTube観ながら過ごしました。

さて、今回の旅行は天候に恵まれ、目標に定めたルートは全て登ることができました。
また、キャンプ生活を通じてノルウェー人の自然との接し方を知ることができたように思います。
ノルウェーの人たちは思いっきり白夜の太陽の恵みを喜んでいるのです。クライマーだけではありません。ハイキングも自転車も釣りもマリンスポーツも大勢の人が楽しんでいて、みんなとても幸せそうでした。
目が合えばhi hi(ノルウェー語の挨拶はhiを2回繰り返す)と挨拶を交わし、わかりやすい英語で親しく話しかけてくれます。

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僕は観光客としてこの地を訪れましたがお金はあまり落としていません。ホテル代も食事代も殆どかかってないんだから。そもそもホテルなんて殆どありません。酒も18時以降は売ってくれないし、アルコール度数5%以上の酒は売っていません。
この国は観光客を集めて金を儲けようとしているわけではないのです。国民が自然の美しさを享受できるように整備しているのです。
豊かとはどういうことか、贅沢とは何なのか、考えさせられました。

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さて、日本もノルウェー同様、素晴らしい自然を有します。
日本は多くの点で北欧諸国を見習うべきだと思いますが、美しい自然と言う貴重な資源をどのように活かすのか考えなければならないでしょう。
僕はこれからも日本の自然の素晴らしさを全身で満喫します。
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