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旭川合宿10日間

年末年始は北海道旭川で10日間過ごしました。
主な目的は、スキーとアイスと飯とホテルでぐーたらテレビ。



1日目:富良野スキー
2日目:層雲峡アイスwithちゃーさん
3日目:ほろたちスキーwithちゃーさん
4日目:神居古潭クライミング、
5日目:カミホロ化物岩
6日目:カムイスキーリンクス
7日目:黒岳登頂&バックカントリー
8日目:旭岳登頂&バックカントリー
9日目:カムイスキーリンクス
10日目:旭山動物園

スキーは自分の実力がついたこともあり、満喫できました。
数年前から真面目に取り組んできたけど、やっとゲレンデを飛び出してもいいだろう、と思える技術レベルに達したように感じています。
これまでも関東周辺のゲレンデパウダーは積極的に滑ってきたけど、上手い人たちが楽しんでいるような「底付き無し」とか「腰パウ」とか「オーバーヘッド」とか「呼吸できない」とか「止まると沈む」なんかは味わったことがありませんでした。今回は旭岳でこれに近い状態を楽しめました。気持ちよく滑れたのは一瞬だけど、今後はこの世界をもっと深めていきたいです。

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今回の旅行で一番の景色は、旭岳山頂です。

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雲を抜けると、天国でした。
難しい山ではないけど、北海道最高峰に良い形で登れたので満足です。

それと黒岳も印象的でした。
TKさんが亡くなった山でもあり、チッペの強い希望で登りました。
頂上でチッペが「ちょっとトイレ行ってくるねー」と言ったのは何かのフラグかと思ったけど特に何もおきませんでした。

飯はだいたい行きたい店には行けました。行けなかったのは「零亭」。正月休みが長くて断念。
ミシュラン一つ星の「鮨みなと」は当然素晴らしかったけど、北海道の良い所はどんな店のどんな食材も安くて旨いこと。茶谷家の宅呑みも楽しかったです。
泊まったのは星野のOMO7。ビジホ並の値段でちょっといい感じのステイを楽しめました。朝食ビュッフェも良い。

年末年始なのでホテルでぐーたらテレビも見ようと思っていたけど、酒と疲労で毎晩22時には寝落ちしてしまい、まともにテレビは見られませんでした。いつかは大晦日のテレビを見ながら正月を迎えたいものです。

最終日は旭山動物園に行きました。
夏とは違う雰囲気で楽しいです。吹雪かれたりして試されます。

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旭山動物園は、動物展示以外にも、スタッフ手書きの展示物が多くあり、どれも動物たちへの愛情を感じます。
これらの展示を通じて、環境のこと、生命のこと、人間のこと、など多くのことを考えさせられます。動物園の価値を再認識しました。

そんなこんなで充実した10日間でした。
来年の正月はイギリスにいるのかな。
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黄連谷右俣を駆け抜ける

黄連谷右俣は時期が早すぎると凍らず、遅すぎると雪で埋まるため、気持ちよく登れるチャンスは少ない。
近年は温暖化の影響で、凍るのが遅くなり、ますます登りにくいルートとなっている。

で、だ。
そういう気持ちで天気予報を追っていると、めったに訪れない黄連谷右俣をノーストレスで登れるThe Dayが土曜日にやってくることに気が付いた。
これは行くしかない!

15日(土)0時過ぎ、自宅発。
2時30分、尾白川駐車場
2時45分、歩行開始。
6時30分、五合目

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徐々に明けつつある空が甲斐駒頂上付近に反射し始める。
明るくなるのを待つか迷ったけど、どうせ適当に下るだけなのでヘッデンでアプローチ開始。

五丈沢右岸側の適当な支沢を下降し、左岸よりへトラバースしつつ下る感じ。テープなどは見つけられなかった。
8時頃、谷底着。

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坊主の滝は凍っている。これはいい!
ロープは出さずに登攀開始。
上部が薄くて、ちょっと気持ち悪かったので、僕がフリーソロで抜けた後、そのセクションだけ上からチッペを確保。

そして、いよいよ氷の回廊のスタート!

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前爪だけでどんどん駆け上がる。
平らな場所があると、ほっとふくらはぎを休ませて、また前爪で駆け上がる。

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先行パーティーも抜いて、本日の先頭を行かせてもらいました。

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やっぱり今日は最高だー!
なんて思いながら登ると、すぐに氷パートは終了。
あとはひたすら詰めあがる。

右股は初めてだったのでよくわからず、いつの間にか左岸の尾根上にいたので、そのまま尾根を登ることに。
見下ろす右股本流は完全に雪崩地形。こりゃあ、雪崩事故も起きるわけだ。早めに尾根に上がっちゃって正解な気がする。

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尾根はハイマツとシャクナゲの藪がうざくて難儀。
ところどころ垂直近い木登りもあって、パーティーによってはロープを出すことになると思う。
後続の皆さん、変なトレースつけちゃってすみません。
でも、これはこれで楽しめた。

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一歩ずつ視界が広がっていく、頂上直下の高揚感はたまらない!
14時頃、頂上着。

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夕飯までに小屋に辿りつける自信が無かったので、素泊まりで申し込んだけど、この時間なら夕飯にありつけそう。
となれば、急いで降りよう!

15時過ぎ、七丈小屋着。
無事に夕飯をいただくことができました。最高。

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ぐっすり眠って、日曜日は素晴らしい朝焼けの中、下山しました。

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温泉入って、Dillでランチして、午後は小淵沢で山岳医のミーティング。
夕飯食べて、渋滞もなく20時半帰宅。
なんか、全てがうまくいった週末でした。
気持ちよかった!

ドライツーリングのコンペに出てみた

10月22日にベータで開催されたドライツーリングコンペに出場しました。

このブログを読んで下さっている方はほとんどクライマーのはずですが、それでも「ドライツーリングって何?」って方もいらっしゃるかと思います。
簡単に言うと、アイスアックスをホールドに引っ掛けて登るってことです。

手はアックスを握っているので全てガバ(アックスのグリップ)です。
そして、ピックの先端がホールドに引っ掛かっているだけなので、正しい方向に引き続けないと外れてしまいます。
つまり、「ガバホールドを正しい方向に引き続けながらスタティックに次の手を出す」を連続して行うクライミングです。
これって絶対にフィジカル、特に体幹勝負だよね。
いい線いくんじゃね?

そんな訳でエントリーしようと思ったのですが、カテゴリーが「ビギナー」と「エキスパート」の2つしかありません。
いい線行くんじゃね?って思っているのに「ビギナー」は無いし、かと言って初めてのドラツーで「エキスパート」も無いでしょう。
結局、主催者の1人である雪山。さんに相談させていただき、一度、講習会を開いていただきました。

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雪山。さんには丁度いい具合の課題を設定してもらい、フィギア9、4連続の練習をしました。
赤岳鉱泉とか岩根山荘とかでアイスのついでにちょっと人工壁で遊んだことはあるもののフィギア4とかやったことありません(あ、ミーちゃんカップにも出場したことあるけど、ほとんどアイスだし、ドライは全部キャンパだったし)。
やってみるとキャンパより遥かに楽なことがわかって、DTSなんて発想が生じるのもなとなく理解できました(わからない人は調べて下さい)。フィギア4だけでなく、フィギア9から入る有用性もよくわかりました。

あとは垂壁トラバースの練習など。予想通りだけど、僕はこっちの方が苦手でした。
で、「ビギナー」は垂壁中心、「エキスパート」はハング中心なのことが予想されるので、「エキスパート」で出場することに決めました。

ピックを有利な形状に削ること、咥えやすいようにテーピングを巻くこと、滑らないグローブを準備する事を言い渡され、講習は終了しました。

さて、ピックはなんとなくそれっぽく研いだし、テーピングも巻いた。
あとはグローブなのですが、医療用手袋が薄くて良いかと思い、破れてもいいように5セットほど準備しました。

そして当日。
エキスパート男子の出場者は5人。
なんか持っている道具から次元の違いを感じます。1本十数万円のアックスとか…。まるでクチバシのようなピックとか…。
真のフィジカルモンスターのEさんも居るし。
全く勝てる気がしませんが、全力を尽くすのみ。

予選は3課題。ベルコン方式。
オブザベの段階では完登マストな気がしたものの、まさかの1課題目の垂壁が時間切れで登れず。2,3課題目のハングは問題無く一撃。



結局、決勝には5人とも進めました。主催者の優しさを感じますね。
だがでもしかし、決勝課題はオブザベ段階から相当やばい香りがします。
僕は見たことないような小さなくぼみとか、有り得ないような距離とか。

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ほとんどまともに登ることができずに決勝が終わってしまいました。
でも、みんな似たり寄ったりで何とか3位に滑り込めました。

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結果はともあれ、とても楽しいコンペでした。
新しく知り合えた方もいたし、久しぶりに会えた方もいました。
商品も豪華だし(ミレーのザックをいただきました)、運営もしっかりしていました。
ぜひまた開催してほしいです。

それにしてもドライの選手はあの課題を楽々登ってしまうのでしょうか?
それとも、それなりに苦戦するものなのでしょうか?

いずれにせよボルダリングで鍛えたフィジカルだけでは太刀打ちできない次元なのはわかりました。
この先に、まだ僕の知らない広い世界が広がっているんだな。

御前岩と瑞牆で登った

先週末は土曜日に御前岩、日曜日に瑞牆に行きました。
チッペがヨセミテ行っちゃって、毎晩1人でプシュだし、週末もなんだかパッとしない感じです。北アルプスを走るプランもあったんだけど雪が降っちゃたしねえ。

てなわけで、山岳医仲間のリョウくんを誘って(リョウくんから誘われて?)御前岩へ。
リョウくんは1人で行くつもりだったとのこと。僕はいったい何を悶々としているのだろう。

御前岩は2回目。リード練習はほとんどしていないので、ボルダーチックな課題でお茶を濁す作戦(やっぱりモチ低め)。アップの でアップアップした後に「Gyagya」(8a)にトライ。
1便目でどうにかムーブはできたものの、核心の一手はかなり難しい。1級ぐらいはあるだろう。
2便目は一応登るつもりで気合を入れるも最初のランジで失敗。核心のために力を温存しすぎた。そして核心パートは1便目より苦労してしまった。ま、その甲斐あって少しは洗練させられたかも。他のルートもやりたいのでとりあえず宿題に。

次は「vertere」(7c)にオンサイトトライ。トポにボルダラー有利的な事が書いてあったし、どう見ても得意な傾斜。でも核心はルーフ上の垂壁パートでした。よくある話ですね。ムーブ探って、2便目でRP。わかれば難しくない。
そしてルート名のvertereは奥多摩のクラフトビール由来っぽいので、下山後に呑むことを決心。

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リョウくんがRPした「ぬかよろこび」(7c)にヌンチャク残してもらってトライ。ムーブ全てを頭に入れて、本気でフラッシュ狙いにいくも、ほぼ1手目でフォール。そのまま2便目でRP。内容としてはほとんどフラッシュできただけに最初のフォールが悔やまれる!

夜は奥多摩周辺でキャンプする予定だったけど、なんとキャンプ場が一杯で入れない!温泉も整理券で順番待ち!時間が遅くてvertereを売ってくれないなど。
今考えると奥多摩で泊まった事無いかも。勝手が分からず色々ギクシャクしてしまう。さらに料理用のガスが不足していることも判明し、結局、御岳のpizzaをテイクアウト。vertereも奥多摩駅前のスーパーで買えました。
適当な場所で佐賀牛ハンバーグだけ焼いて車中泊。ま、キャンプ場に泊まるのと何の差も無いんだけどね。
あ、pizzaはかなり美味しかった!生地が薄くて軽く食べられる。デッドエンドの近くです。ぜひ。

翌日はリョウくんと別れて瑞牆へ。
「インドラ」が本命。あとは「高野聖」など。
ってつもりだったけど駐車場でジム仲間たちに会って、何となく「美しき日」(二段)へ。歯が立たず。あの傾斜は得意なんだけど、歯が立たず。周囲の課題は瑞牆の中では登りやすいグレード感だと思うんだけど「美しき日」は別格ですね。
あとは毎度の「千里眼」(二段)に打ち返されたりして終了。

キャンプ用に買った鍋具材一式を自宅で食べました。

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八丈島で辺境クライミングの体験をした

辺境クライミング(通称「辺クラ」)は、当時、京都府立医大の学生だった(現在は医者の)「けんじり」が創った言葉だ。
これは、辺境(主に離島)で谷を遡行し、未だ人類が(遡行の意図を持って)通過していない空白地域を埋めていく作業だと僕は認識している。未知への挑戦と言う点で価値のある行為だが、一般のクライマー、ましてや登山者からの支持を得られるとは到底思えない記録が、なぜかロクスノで連載され、今やカラーページだ。
ロクスノ読者は辺クラ記事を本当に読んでいるのか甚だ疑問だが、読めば登攀の質は高くないことが伺える。記事の大半は地域研究に費やされ、もはや登攀の記録かどうかも怪しい。
しかしなぜだろう、なんだかワクワクが満ちているような気がするのは。
その秘密を探るべく、けんじりと八丈島で辺クラしてきた。


往路は夜行フェリー。「席無し券」をお勧めします。広い甲板でゆったり寝られます。

ヒッチハイクした車の中で学生らしき車の持ち主から質問された「どうして始めたんですか?」の問いに、けんじりは「そこに谷があるから、かなー」と答えた。
始めた動機に対する答えとしてはおそらく間違っているが、辺クラを続けている理由は「そこに谷があるから」に間違いない。
けんじりはスマフォの地図アプリを駆使して、八丈島中の、いや、日本中の海岸線のくびれをチェックしている。アプリで集水域を計算し、地形の特徴と集水域から行くべき谷を探すのだ。谷があるからそこに行く。

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地形図で水線が描かれ、集水域も十分なはずの谷でこの水量。

集水域の多い、つまり水の豊富な谷から優先的に攻めていくことにしたが、大きな誤算があった。
谷に水が無いのだ。最初に行った谷なんて海岸線の滝(最も水量が多い場所のはず)で10滴の滴りがあるだけだった。上の写真は一応、水が流れているので八丈島としてはめちゃめちゃ水量の多い谷という事になる。

一方、地形図上では集水域ゼロの崖に滝マークがあったりする。その滝が下の写真。

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崖の途中から水が噴き出す名古の滝。

滝の上は尾根なので、地表を水が流れるとしたら、ここには絶対に水流は存在し得ない。地下水脈を通って岩の隙間から水が噴き出しているらしい。
どうやらこの島は地表の形状とほぼ独立して水脈が存在しているようだ。降った雨は地表を流れずに一瞬で地面に吸い込まれ、地下水脈を通って海に流れるのだろう。

さて、そうなるとどの谷を遡行すべきかよくわからない。
でも外せないのは洞輪沢(ぼらあさわ)の名古川だ。洞輪沢と言う地名は興味を惹かれるし、地形図上の溝の深さも十分だ。溝が深いってことは流石に水流もあるだろう。それが下の写真。

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洞輪沢ゴルジュ。護岸工事されているのが勿体ない。このゴルジュが海とどのように繋がっていたのだろうか。

さて、3日で6本の谷や滝を遡行したが、最も楽しかったのが崖から噴き出す名古の滝で、最も困難だったのが洞輪沢の名古川だ。他の谷もそれぞれ独特の雰囲気が有り、辺クラの楽しさを存分に味わうことができた。

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八丈島は円筒状の滝が多い。

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これなんて完全な円筒。

言っている意味がわからないかも知れないが、360度以上、垂直の壁に阻まれている。つまり、ただの行き止まりじゃなくて、渦巻き状に行き止まる。
そうなるとかなり大きく高まくか、垂直の壁を登るしか選択肢は無い。

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ピッチの途中でショルダーハンマーを繰り出す。

ジャングル特有の弱い植生に苦労しつつ、ジワジワと側壁を登ったり、猛烈な垂直な藪を漕いだりする。
時にはピッチの途中でショルダーして、その上からハンマー投げる、など。もう意味がわからない。

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ゴミの滝を登ることもあれば、立派なヒョングリ滝をツタを利用して登ることもあった。
岩ではなくて、硬い土にエイリアンをキメて振り子トラバースとか。

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硬い土の登攀に苦労する。

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それでも海から谷を遡行すると言う経験は初めてで、終始、愉快な遡行だった。

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詳しい遡行記録はけんじりが発表してくれると思うので、このブログでは割愛。

最終日は「八丈島のキョン」を見にいった。
八丈島に野生のキョンはおらず飼われている数頭がいるだけだ。それに対して伊豆大島では野生化したキョンが1万頭いるらしい。なぜ「八丈島のキョン」だったのか…。

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キョンがキョン足する姿はついに見ることは無かった。

そもそもあのギャグマンガの「八丈島のキョン」はキョン足ではないような気がするのだが。

こうして僕らの辺クラ体験は終わったのだが、非常に有意義であった。
辺クラのエッセンスはちょっとわかった気がしたし、登攀内容もこれまで経験したことのないもので面白かったし奮闘的でもあった。
キャンプ場も快適で、スーパーも飲食店も充実していてアフタークライミングも申し分ない。
そして、ヒッチハイクの成功率がめちゃくちゃ高い。

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もう八丈島に沢登りで行くことは無いと思うけど、離島の風情、暖かさは心地の良い物でした。
ちょっとまた、違う離島も行ってみたいな、なんて思ってしまうのだから、やっぱり辺クラには辺クラの良さがあるんだな。
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いつも笑顔のペコマです!

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