ドライツーリングのコンペに出てみた

10月22日にベータで開催されたドライツーリングコンペに出場しました。

このブログを読んで下さっている方はほとんどクライマーのはずですが、それでも「ドライツーリングって何?」って方もいらっしゃるかと思います。
簡単に言うと、アイスアックスをホールドに引っ掛けて登るってことです。

手はアックスを握っているので全てガバ(アックスのグリップ)です。
そして、ピックの先端がホールドに引っ掛かっているだけなので、正しい方向に引き続けないと外れてしまいます。
つまり、「ガバホールドを正しい方向に引き続けながらスタティックに次の手を出す」を連続して行うクライミングです。
これって絶対にフィジカル、特に体幹勝負だよね。
いい線いくんじゃね?

そんな訳でエントリーしようと思ったのですが、カテゴリーが「ビギナー」と「エキスパート」の2つしかありません。
いい線行くんじゃね?って思っているのに「ビギナー」は無いし、かと言って初めてのドラツーで「エキスパート」も無いでしょう。
結局、主催者の1人である雪山。さんに相談させていただき、一度、講習会を開いていただきました。

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雪山。さんには丁度いい具合の課題を設定してもらい、フィギア9、4連続の練習をしました。
赤岳鉱泉とか岩根山荘とかでアイスのついでにちょっと人工壁で遊んだことはあるもののフィギア4とかやったことありません(あ、ミーちゃんカップにも出場したことあるけど、ほとんどアイスだし、ドライは全部キャンパだったし)。
やってみるとキャンパより遥かに楽なことがわかって、DTSなんて発想が生じるのもなとなく理解できました(わからない人は調べて下さい)。フィギア4だけでなく、フィギア9から入る有用性もよくわかりました。

あとは垂壁トラバースの練習など。予想通りだけど、僕はこっちの方が苦手でした。
で、「ビギナー」は垂壁中心、「エキスパート」はハング中心なのことが予想されるので、「エキスパート」で出場することに決めました。

ピックを有利な形状に削ること、咥えやすいようにテーピングを巻くこと、滑らないグローブを準備する事を言い渡され、講習は終了しました。

さて、ピックはなんとなくそれっぽく研いだし、テーピングも巻いた。
あとはグローブなのですが、医療用手袋が薄くて良いかと思い、破れてもいいように5セットほど準備しました。

そして当日。
エキスパート男子の出場者は5人。
なんか持っている道具から次元の違いを感じます。1本十数万円のアックスとか…。まるでクチバシのようなピックとか…。
真のフィジカルモンスターのEさんも居るし。
全く勝てる気がしませんが、全力を尽くすのみ。

予選は3課題。ベルコン方式。
オブザベの段階では完登マストな気がしたものの、まさかの1課題目の垂壁が時間切れで登れず。2,3課題目のハングは問題無く一撃。



結局、決勝には5人とも進めました。主催者の優しさを感じますね。
だがでもしかし、決勝課題はオブザベ段階から相当やばい香りがします。
僕は見たことないような小さなくぼみとか、有り得ないような距離とか。

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ほとんどまともに登ることができずに決勝が終わってしまいました。
でも、みんな似たり寄ったりで何とか3位に滑り込めました。

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結果はともあれ、とても楽しいコンペでした。
新しく知り合えた方もいたし、久しぶりに会えた方もいました。
商品も豪華だし(ミレーのザックをいただきました)、運営もしっかりしていました。
ぜひまた開催してほしいです。

それにしてもドライの選手はあの課題を楽々登ってしまうのでしょうか?
それとも、それなりに苦戦するものなのでしょうか?

いずれにせよボルダリングで鍛えたフィジカルだけでは太刀打ちできない次元なのはわかりました。
この先に、まだ僕の知らない広い世界が広がっているんだな。

御前岩と瑞牆で登った

先週末は土曜日に御前岩、日曜日に瑞牆に行きました。
チッペがヨセミテ行っちゃって、毎晩1人でプシュだし、週末もなんだかパッとしない感じです。北アルプスを走るプランもあったんだけど雪が降っちゃたしねえ。

てなわけで、山岳医仲間のリョウくんを誘って(リョウくんから誘われて?)御前岩へ。
リョウくんは1人で行くつもりだったとのこと。僕はいったい何を悶々としているのだろう。

御前岩は2回目。リード練習はほとんどしていないので、ボルダーチックな課題でお茶を濁す作戦(やっぱりモチ低め)。アップの でアップアップした後に「Gyagya」(8a)にトライ。
1便目でどうにかムーブはできたものの、核心の一手はかなり難しい。1級ぐらいはあるだろう。
2便目は一応登るつもりで気合を入れるも最初のランジで失敗。核心のために力を温存しすぎた。そして核心パートは1便目より苦労してしまった。ま、その甲斐あって少しは洗練させられたかも。他のルートもやりたいのでとりあえず宿題に。

次は「vertere」(7c)にオンサイトトライ。トポにボルダラー有利的な事が書いてあったし、どう見ても得意な傾斜。でも核心はルーフ上の垂壁パートでした。よくある話ですね。ムーブ探って、2便目でRP。わかれば難しくない。
そしてルート名のvertereは奥多摩のクラフトビール由来っぽいので、下山後に呑むことを決心。

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リョウくんがRPした「ぬかよろこび」(7c)にヌンチャク残してもらってトライ。ムーブ全てを頭に入れて、本気でフラッシュ狙いにいくも、ほぼ1手目でフォール。そのまま2便目でRP。内容としてはほとんどフラッシュできただけに最初のフォールが悔やまれる!

夜は奥多摩周辺でキャンプする予定だったけど、なんとキャンプ場が一杯で入れない!温泉も整理券で順番待ち!時間が遅くてvertereを売ってくれないなど。
今考えると奥多摩で泊まった事無いかも。勝手が分からず色々ギクシャクしてしまう。さらに料理用のガスが不足していることも判明し、結局、御岳のpizzaをテイクアウト。vertereも奥多摩駅前のスーパーで買えました。
適当な場所で佐賀牛ハンバーグだけ焼いて車中泊。ま、キャンプ場に泊まるのと何の差も無いんだけどね。
あ、pizzaはかなり美味しかった!生地が薄くて軽く食べられる。デッドエンドの近くです。ぜひ。

翌日はリョウくんと別れて瑞牆へ。
「インドラ」が本命。あとは「高野聖」など。
ってつもりだったけど駐車場でジム仲間たちに会って、何となく「美しき日」(二段)へ。歯が立たず。あの傾斜は得意なんだけど、歯が立たず。周囲の課題は瑞牆の中では登りやすいグレード感だと思うんだけど「美しき日」は別格ですね。
あとは毎度の「千里眼」(二段)に打ち返されたりして終了。

キャンプ用に買った鍋具材一式を自宅で食べました。

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八丈島で辺境クライミングの体験をした

辺境クライミング(通称「辺クラ」)は、当時、京都府立医大の学生だった(現在は医者の)「けんじり」が創った言葉だ。
これは、辺境(主に離島)で谷を遡行し、未だ人類が(遡行の意図を持って)通過していない空白地域を埋めていく作業だと僕は認識している。未知への挑戦と言う点で価値のある行為だが、一般のクライマー、ましてや登山者からの支持を得られるとは到底思えない記録が、なぜかロクスノで連載され、今やカラーページだ。
ロクスノ読者は辺クラ記事を本当に読んでいるのか甚だ疑問だが、読めば登攀の質は高くないことが伺える。記事の大半は地域研究に費やされ、もはや登攀の記録かどうかも怪しい。
しかしなぜだろう、なんだかワクワクが満ちているような気がするのは。
その秘密を探るべく、けんじりと八丈島で辺クラしてきた。


往路は夜行フェリー。「席無し券」をお勧めします。広い甲板でゆったり寝られます。

ヒッチハイクした車の中で学生らしき車の持ち主から質問された「どうして始めたんですか?」の問いに、けんじりは「そこに谷があるから、かなー」と答えた。
始めた動機に対する答えとしてはおそらく間違っているが、辺クラを続けている理由は「そこに谷があるから」に間違いない。
けんじりはスマフォの地図アプリを駆使して、八丈島中の、いや、日本中の海岸線のくびれをチェックしている。アプリで集水域を計算し、地形の特徴と集水域から行くべき谷を探すのだ。谷があるからそこに行く。

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地形図で水線が描かれ、集水域も十分なはずの谷でこの水量。

集水域の多い、つまり水の豊富な谷から優先的に攻めていくことにしたが、大きな誤算があった。
谷に水が無いのだ。最初に行った谷なんて海岸線の滝(最も水量が多い場所のはず)で10滴の滴りがあるだけだった。上の写真は一応、水が流れているので八丈島としてはめちゃめちゃ水量の多い谷という事になる。

一方、地形図上では集水域ゼロの崖に滝マークがあったりする。その滝が下の写真。

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崖の途中から水が噴き出す名古の滝。

滝の上は尾根なので、地表を水が流れるとしたら、ここには絶対に水流は存在し得ない。地下水脈を通って岩の隙間から水が噴き出しているらしい。
どうやらこの島は地表の形状とほぼ独立して水脈が存在しているようだ。降った雨は地表を流れずに一瞬で地面に吸い込まれ、地下水脈を通って海に流れるのだろう。

さて、そうなるとどの谷を遡行すべきかよくわからない。
でも外せないのは洞輪沢(ぼらあさわ)の名古川だ。洞輪沢と言う地名は興味を惹かれるし、地形図上の溝の深さも十分だ。溝が深いってことは流石に水流もあるだろう。それが下の写真。

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洞輪沢ゴルジュ。護岸工事されているのが勿体ない。このゴルジュが海とどのように繋がっていたのだろうか。

さて、3日で6本の谷や滝を遡行したが、最も楽しかったのが崖から噴き出す名古の滝で、最も困難だったのが洞輪沢の名古川だ。他の谷もそれぞれ独特の雰囲気が有り、辺クラの楽しさを存分に味わうことができた。

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八丈島は円筒状の滝が多い。

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これなんて完全な円筒。

言っている意味がわからないかも知れないが、360度以上、垂直の壁に阻まれている。つまり、ただの行き止まりじゃなくて、渦巻き状に行き止まる。
そうなるとかなり大きく高まくか、垂直の壁を登るしか選択肢は無い。

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ピッチの途中でショルダーハンマーを繰り出す。

ジャングル特有の弱い植生に苦労しつつ、ジワジワと側壁を登ったり、猛烈な垂直な藪を漕いだりする。
時にはピッチの途中でショルダーして、その上からハンマー投げる、など。もう意味がわからない。

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ゴミの滝を登ることもあれば、立派なヒョングリ滝をツタを利用して登ることもあった。
岩ではなくて、硬い土にエイリアンをキメて振り子トラバースとか。

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硬い土の登攀に苦労する。

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それでも海から谷を遡行すると言う経験は初めてで、終始、愉快な遡行だった。

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詳しい遡行記録はけんじりが発表してくれると思うので、このブログでは割愛。

最終日は「八丈島のキョン」を見にいった。
八丈島に野生のキョンはおらず飼われている数頭がいるだけだ。それに対して伊豆大島では野生化したキョンが1万頭いるらしい。なぜ「八丈島のキョン」だったのか…。

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キョンがキョン足する姿はついに見ることは無かった。

そもそもあのギャグマンガの「八丈島のキョン」はキョン足ではないような気がするのだが。

こうして僕らの辺クラ体験は終わったのだが、非常に有意義であった。
辺クラのエッセンスはちょっとわかった気がしたし、登攀内容もこれまで経験したことのないもので面白かったし奮闘的でもあった。
キャンプ場も快適で、スーパーも飲食店も充実していてアフタークライミングも申し分ない。
そして、ヒッチハイクの成功率がめちゃくちゃ高い。

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もう八丈島に沢登りで行くことは無いと思うけど、離島の風情、暖かさは心地の良い物でした。
ちょっとまた、違う離島も行ってみたいな、なんて思ってしまうのだから、やっぱり辺クラには辺クラの良さがあるんだな。

留学先のボスに会ってきた

留学先を探していて、たどり着いたのが北アイルランドのBelfastの大学です。
今回の旅行は、Belfastで開催される学会に参加し、留学予定の研究所を見学して、ボスに「What I have done in NDMC(我社) and what I want to do in QUB(留学先)」をプレゼンすることが目的です。



とは言ってもせっかくUKまで来たんだから観光もしましょう。
北アイルランドはUKだけど、アイルランドとの国境はあってないようなもの。電車で普通に行けます。ということでアイルランドのDublinに行ってきました。

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Dublinはギネスビール工場のおひざ元で飲み屋街って感じです。

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お城とかもあるんだけど、あんまり興味ないうえに10ユーロとかとられるので行かず。

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ギネスビール工場見学はマストです。25ユーロもするけど、充実の展示。試飲講座みたいなやつとかあって楽しめます。ただし日本語のツアーはありません。でも安心して下さい。英語がわからなくてもジョッキ1杯無料で呑めます。施設の最上階はDublinでも最も高い場所の1つで眺めもよくて気持ち良くビールを楽しめます。

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この後はウィスキー工場にも行こうかと思ったけど、夜も絶対に呑むので、自分を律してジムへ。
海外のジムに行くと、今や日本がスポーツクライミング先進国であることがよくわかります。
壁の形状、課題の質、安全への配慮、サービスの質、何をとっても日本の標準的なジムより劣っていました。ただ、広さだけは海外に勝てません(あ、ハワイは狭かったな)。

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このジムはグレードがホールドの色でわけられています。
1番難しい黄色ホールド課題でも2級~初段ぐらい。2番目に難しい赤ホールド課題は3~2級ぐらいかと思います。
これでは選手レベルの人は全く楽しめません。僕でも2時間で飽きてしまったので。

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その代わりに「精神と時の部屋」的なトレーニング室が壁の中にありました。ここのキャンパ棒とか小さなホールドとかはえげつなかった。

さて、肝心の学会ですが、僕は発表が無いので気楽です。
でも、せっかくの機会なので修行をしましょう。「留学先のラボメンバーの発表に対して必ず質問をする」と言うチキンハートかつ英語の不自由な僕にとっては非常に高いハードルを設けました。ハードルは高いけど、この修業は経験値になるし、我社のボスへのアピールになるし、留学先のボスへのアピールになるし、未来の同僚への自己紹介替わりにもなるので一石四鳥ぐらいでしょうか。

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無事に修行を終えて一杯。

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研究室を見学させてもらいました。
我社以外の研究室を覗くのは初めてなのでスタンダードがわかりませんが、めっちゃ綺麗で広くてすごかった!
もともとネイティブEnglishユーザーは3歩ぐらい前からスタートしているのに、この施設があれば何本でも論文書けそうな気がします。が、まあ、そういう問題ではないのでしょう。

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実験室の窓からの風景も素敵ですね。

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ボスへのプレゼンはミーティングルームでプロジェクターを使って行いました。
僕としては世間話の延長で「こんな感じのことやりたいと思ってるんですー」ぐらいの雰囲気で和気あいあいとやりたかったのですが、なんかガチなResearch Meetingでした。

我社でも毎週Research Meetingは英語でやってるんだけど、日本人しかいないし、困った時の必殺「日本語」を炸裂させられるので気楽です。
それに対して今回は厳しかった!すでにほぼ論文化しているresultに対して「It's not reasonable」とか平気で言ってくるし。いやいや、僕、まだお客さんって立場じゃないの?とか思ったけど容赦ないので、僕も必死に応答。あー疲れた。

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ってことで、どうにか来年1月からの留学が実現しそうです。
どんな道を歩むにしても、この経験は人生を豊かにしてくれそうな気がしています。
厳しい世界かもしれないけど、なんだか楽しくやれそうです。
あと4ヵ月、しっかり準備しないとな!

今日も甲斐駒ヶ岳で山岳医療パトロール

また七丈小屋まで来ました。

最近、よく考えるのは「理想の山岳医療って何だろう」ってこと。
遭難者が出ないのが一番重要です。そのために最も良い方法は人が山に登らない事。それが言い過ぎなら、「身の丈に合った登山をすること」。これなら大勢の人の賛同を得られそうです。

だけど、僕の意見は少し違います。
(正しい方向性の覚悟があるならば)山は「挑戦の場」であっていいはずです。
それを支えるのが山岳医療の1つの側面だと思います。
遭難事故の減少に直結する活動も重要だし、日本の山岳文化向上に寄与するような息の長い活動も重要でしょう。

できることから一歩ずつ。30年後の世界を想像しながら。


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