股関節と真剣に向き合ってみる

股関節が硬い(固い?)です。
と言っても、異常に硬いわけではなくて、たぶん平均程度に硬いです。
これを何とかして柔らかくしようと思い立ちました。

ランニングはクライミングと比べて物凄く単純な運動です。クライミングでは無限のホールドの組み合わせに対する無限のムーブを洗練させる必要があるのに対し、ランニングはたった1つのムーブですから。
そうなると、トレーニング方法も非常に単純です。
正直、僕ぐらいのレベルのランナーがやるべき練習方法は、もう何十年も前に完成された「正解」があって、それをただこなすだけです。ネット上にはクライミングに関する情報の100倍ぐらいの情報が溢れていて、でも、どれも似たり寄ったりで、「正解」を色々な角度から眺めているだけです。

ちょっと話は逸れましたが、股関節です。
ランニングはトレーニング方法が単純な分、「走ること以外のトレーニング」にも意識がいきやすいです。僕も例に漏れず、「走ること以外で速くなれる方法」を調べました。
よく言われるのは体幹トレだけど、まあ、単純に筋力的なことでは(より高いレベルでは使い方とかの違いはあるものの)、ランナーとしては抜群に優れている自信があるので、これはランニングには採用しません。

次に挙がってくるのが股関節の柔軟性です。
これまで、クライミング前になんとなーくほぐしたり、風呂上がりになんとなーくストレッチしたりしていました。それも横開脚系ばかりで、ランニングで必要な縦開脚系は殆どやったことがありませんでした。
ということで、実際にYouTubeとか見ながらやってみるとカタイカタイ。

まあ、硬いことは自覚していたけど、ちょっとこれ、柔らかくなれば何か世界が変わるんじゃないか?

と思って、股関節のストレッチについて色々調べました。
そしたら、これまた「正解」が存在することがわかりました。
ヨガ、整体師、ダンサー、体操選手、バレリーナ、など色々な職種の方が色々な角度から懇切丁寧に「股関節の柔軟」について解説してくれます。そしてその内容は本質的には全て同じでした。

だったら、もう悩むことはありません。
ただ「正解」の通りにストレッチするだけです。

そして(今頃)気がついたんだけど、股関節の柔軟性ってランニングよりもクライミングに有効じゃないか?

当たり前のことですね。
クライミングはやるべき事が多すぎて、これまでストレッチに関しては疎かにしてしまいました。
僕はどちらかというと強傾斜が得意で、保持できるホールドを使ったムーブに関しては(同程度のレベルのクライマーの中では)自信があります。逆に垂壁や薄被りの外傾ホールドやスローパーで、保持するというよりは「効かせて登る系」のムーブは苦手です。まあ、つまり、単純に下手ってだけなんですが。
で、これを克服するために、スローパーにぶら下がったり、外傾カチにぶら下がったりして鍛えようとするわけですね。
こうして、かれこれ10年経つわけですが、今でも苦手です。

なのですが、そう、股関節の柔軟性が上がれば一気に解決じゃね?
いや、知ってましたよ。漠然とは「股関節が柔らかければ登れる課題は増えるだろうなー」っていつも考えていましたよ。

という事で、ランニングの為というよりはクライミングのために股関節ストレッチを真剣に始めました。
だいたい毎日30分ぐらい。自分の股間と語り合います。
今日でだいたい2週間ぐらい経ちましたが、効果テキメンです。始めたばかりという事もあり、日に日に目に見えて柔らかくなります。

そして、一昨日のこと。
これまでどうしても登れなかったジム最難課題の1つ、スローパーを保持して狭い足入れ替え課題、を登れたのです!
いやー、これは嬉しかった。もう狭い課題もスローパーも恐くありません(嘘です)。

僕もボチボチアラフォーです。
どうしても「生涯最高パフォーマンス」を意識してしまう年齢になってきました。
でも、まだまだ変化できるし、強くなれると信じてます。
クライミングもランニングも、これから未来で出会う、全く新しいことも、いつまでも向上心を持って取り組みたいです。

HIFの発見でノーベル賞、高所順応のメカニズム解明?

10月7日に2019年のノーベル医学生理学賞が発表されました。
普段はふざけたブログなのに、なんで急に研究の話をはじめたかというと、実はこの研究、高所順応と非常に密接に関係するからです。

受賞したのは、W.Kalinさん、P.Ratcliffeさん、G.Semenzaさんの3人です。
その中でも注目したいのはSemenzaさん。彼は低酸素誘導因子(HIF)というタンパク質を発見したのです。

hif1
代表的な論文2つ。

生物が低酸素に曝されると、色々な変化が起こります。
例えば、赤血球が増えたり、血管が増えたり、あんまり酸素を使わない代謝系にシフトしたり。
つまり、低酸素環境では、酸素が少なくても生きていけるような有利な身体になるように変化するのです。
このように身体を変化させる指令を出すタンパク質が、Semenzaさんの発見したHIFなのです。

そう!これって高所順応そのもの!

正確に言うと、高所順応においてはHIF以外のメカニズムも存在するので、一面的ではありますが、HIFは確かに高所順応に大きな役割を果たしているのです。

でも、高所登山をしない人にとっては低酸素に曝されることなんてないんだから、あんまり意味なくね?なんでこれでノーベル賞?
とか思う方もいるかもしれませんね。
実は、地上にいても体のあちこち低酸素なんです。呼吸によって取り入れられた酸素は血管に入って、赤血球によって体の隅々まで届けられます。って気がしますが、実は全く隅々まで届きません。毛細血管に近い場所にはたくさん酸素がありますが、血管から離れると酸素が少なくなります。つまり体の中には酸素の多い部分から少ない部分までグラデーションがあるのです。
酸素が少ない部分ではHIFが活性化するので、新たな血管が作られたりして低酸素を解消しようとします。

あと、実は悪性腫瘍(癌)の内部は低酸素だったりします。そうすると、癌の内部でHIFが活性化し、癌の増殖に有利になることがあります。逆に言うと、癌内部でHIFを抑制すれば、治療につながる可能性があるのです。
他にも糖尿病で腎臓や網膜の病気を合併しますが、これは毛細血管がやられて酸素供給がうまくできなくなりHIFが活性化ことで起こります。

つまり、HIFは良いこともするけど、実は病気の原因になることもあるのです。

でも高所登山ではHIFがしっかり活躍してくれると順応が進んでいいね!
と思うのですが、実はそんなに単純ではありません。

HIFは血管を増やそうとして、VEGFという血管を増殖させる物質を増やすように指令を出します。このVEGFが曲者で、血管を増やすけど、それと同時に血管から水やらタンパク質やらを漏らしてしまう機能もあるのです。そうすると、本来は血管内部にあるはずの水分がそれ以外の場所に溜まってしまい、むくみの原因になります。
「足がむくむなあ」ぐらいならよいのですが、これが脳や肺で起こると、高所脳浮腫や高所肺水腫といった致命的な病気につながります。
しかし、実はHIFによって血管から水分が漏れてしまうメカニズムの詳細はまだ解明されていません。

僕のイギリスでの研究テーマは、HIFによって血管から水分が漏れてしまうメカニズムの解明です。
毎日、血管を構成する細胞たちを低酸素に曝露する”いじめ”に勤しんでいます。
いじめの証拠写真を1枚。

hif2

HIFが赤く光るようにして観察すると、低酸素では見事真っ赤になっています。なんだか細胞も怒っているようですね。
そうすると、血管の細胞の結びつきが緩くなって色々漏れ出てしまうのです。
これをうまく抑制できれば高所脳浮腫の予防ができるかもしれません。

っていうのが僕がやりたいことです。
さて、留学も残り約2ヶ月。
どうにかこの1年間の成果を論文にまとめたいものです。
ノーベル賞とは言わないまでも、何か人類にとってプラスになるような研究になることを夢見ています。

キプチョゲがマラソン2時間切りKipchoge breaks 2-hour marathon

Eliud Kipchoge has become the first runner to finish a marathon in under two hours.

キプチョゲさんがフルマラソンを1時間59分40秒で走りました。
これは定められたレースでは無いので、陸上競技の公式記録にはなりませんが、42.195kmを人類が初めて2時間以内で走ったことに間違いありません。

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キプチョゲさんは、僕と同じ35歳。元々5000mの選手で世界陸上での優勝やオリンピック銀メダルの経験もあるスピード系ランナーです。マラソンに転向してからは12戦11勝(1負けは2位)。マラソン世界記録保持者で、誰もが認める世界最強のマラソンランナーです。

2017年にNIKEのイベントで2時間切りを目指した時は、おしくも2間00分25秒でした。
マラソンの公式世界記録を出したのはこの後だし、この時からの改善点もあるはずなので、今回はサブ2達成できると信じてました。

この挑戦は、関係者がガチなことも面白さの1つです。
NIKEは前回の挑戦の際にベイパーフライ4%という厚底なのに速いシューズを開発しました。これまで存在しなかったコンセプトのシューズを創りあげたのです。今ではトップ選手はほぼ全員このタイプのシューズを履いています。
ペーサー陣もすごい。
オリンピックメダリストが何人も採用されています。そして、なんと村山紘太選手もペーサーに抜擢。10000mの日本記録保持者ですよ。ペーサーは自転車レースのように風の抵抗を最小限に抑えられるように計算して配置されているようです。

きっとクライマーはピンときてないと思うので、クライミングに例えます!(超適当だからね、そのつもりでね)
アダムアンドラがEl Capitanの新ルートに挑みます。
確実に史上最難ルートです。
スポルティバはこの挑戦のために全く新しいコンセプトのクライミングシューズを開発しました。
他の全てのギアもこの挑戦専用のものが用意されました。
トレーニング、栄養、壁の中での休息方法など専門家と共に綿密な作戦を立てました。
壁の中でのサポートには、トミーやアレックスをはじめ世界的なクライマー数十人で担当します。日本からは倉上慶大さんが抜擢されました。
この挑戦の様子は世界中に生中継されます。
ね、やばいでしょ!

ということで、じっくりliveで鑑賞しました。
2分50秒/kmという異次元のラップを淡々と刻み続けるキプチョゲさん。これ、10キロ28分20秒なんだけど、日本の大会なら確実に入賞できます。僕は400mぐらいしかついていけないペースです。
サブ2達成はほぼ確実で、最後2キロぐらいは笑いながら走ってました。
ラスト500mでペーサーが下がり、キプチョゲさんを先頭にラストスパート。キプチョゲさん、喜びを爆発させながらダッシュ。後ろのペーサーも各々に喜びを表現しながら横一列で追いかけます。
そのままゴールして奥さんに飛び付くキプチョゲさん。
ゴール直後にも関わらず、ケニアの国旗を持って走り回るキプチョゲさん。
感動しちゃいました。
いつもクールなキプチョゲさんがあんなに大喜びしてるんだもん。なんか叫んでたし。

そんなこんなでモチベーションいただきました!
恐怖練翌日にも関わらず17キロのビルドアップやっちゃったもんね。

キプチョゲさん、勇気と元気をありがとう!

チッペとベルファスト散歩 Belfast with Chippe

2週間ほど前からチッペがベルファストに来ています。
Chippe has been in Belfast for 2 weeks.

この地を2人で訪れることはもう無いかもしれないので、歩き回って記念撮影をしました。
It’s probably the last time to be here with her. So we walked around and took pictures.

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大学の隣の植物公園。

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大学。

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お祭りの街。

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City hall内部。

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ハーフマラソン完走後。

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ダブリンのギネスも最後かな?

北アイルランドの秋は短くて、すぐに冬になってしまいます。夜が長く、天気の悪い日が続く冬。
留学はまだ3ヶ月ほどありますが、明るいベルファストで過ごせる日はもうあまりないでしょう。
良い天気の時に写真を撮っておきました。
Day time has become shorter and shorter.
I guess I will have few chances to see brilliant Belfast city.

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チッペが日本に帰ったら、留学もラストスパートです。
しっかり結果を残せるように頑張ります。

Belfast city half marathon で79分!

まさか今の自分が80分を切れるとは思っていませんでした。

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ランニングを始めたのが今年の2月。
初フルマラソンが5月。サブスリーを目指すも地獄の苦しみで3時間9分。
次がハーフで7月。キロ4分ペースを狙ったもののちょっと足りずに1時間24分58秒。

そして今日。
最低目標はPB。できれば1時間23分台。あばよくば22分台。というのが僕の目標でした。
ペースは3分55秒/kmぐらいの設定。

チッペが2週間前にやってきてからは、チッペに持ってきてもらったガーミンコーチとターサーさん(靴)を相棒に、最終調整をしました。

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上の写真がターサーさん。
ベルファストではレース用のシューズは見つけられなかったので、asicsターサージール6をチッペに買ってきてもらいました。実際に履くと、やはりスピードを上げた時の気持ち良さが素晴らしいです。
流行りの厚底スピードシューズも履いてみたいけど、山で走ることを考えれば、ああいう道具に走らされるヤツではなく、自らの足腰を鍛えてナンボかなってことで、薄底にはこだわりたいです。ターサー廃番の噂があるので悲しいです。

質は維持したまま、徐々に練習量を減らし、前日は完全レスト。
ガーミンコーチにもピーキングばっちりです、のお墨付きをいただきました。

そして今日が当日。
5時起床。雨予報だけど、まだ降っていない。
前日に買ったパンを食べながらゼッケンなどを用意。

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出走2時間前にバナナを2本食べて、7時45分に自宅出発。
スタート地点の公園までゆっくり歩いて20分。
会場のトイレに並ぶ。その間にカフェイン125mg摂取。
靴をターサーに履き替え、上着を脱いで、荷物を預ける。
少し体をほぐして、出走15分前、チッペと別れてそれぞれのスタート位置へ。
念のためゴミ袋ポンチョも用意していたが使用せず。

On your mark

9時、出走。
1キロ、3分49秒。
2キロ、3分50秒。

予定よりほんの少しだけ速いペース。
ただ、とても遅く感じる。

7月、8月の北アイルランドは日も長いし涼しくて走りやすい。
月間走行距離は200〜250kmぐらいだけど、質はけっこう良かったんだと思う。
レースペースより速い練習を心がけ、3分45秒/kmで8キロぐらいはこなせるようになった。3分30秒でも3キロなら普通にいける。1000m×5のインターバルは3分20秒台まで上がった。キロ5分以上のゆっくりジョグは一切行っていない。その暇があればクライミングジムに行った。ストレッチはクライミング用にやっていたのに加えて股関節メニューを増やした。だいたい16キロ走る日が多かったけど、アベレージで4分20秒より遅い日は無い。ポイント練の後のジョグも4分30秒以内のペースで走った。

レース3週間前から量は減らしたものの、スピードは維持した。3分20秒で2000m走った後、3分55秒のレースペースで回復していくのを感じた時、僕にとって3分55秒はレースペースではなくジョグペースになった。

さて、レース。
3キロ、3分45秒。
4キロ、3分45秒。
遅い。もっとあげたい。
5キロ、3分37秒。
まだあがる。
6キロ、3分35秒。

ふと、我に帰った。
35秒??
こんなペースで5キロも走ったことない。
あと15キロあるんだぞ?行けるのか?

前回のハーフでは、その前の地獄のフルの記憶があったので脚をセーブした。
でも、今はハーフなら最後まで脚を残せる自信がある。そういう練習をしてきたんだから。

…突っ込もう!

10キロ通過、37分25秒。

ここで「まだ半分」と思うのか「もう半分」と思えるのか。
完全に「もう半分」だった!
前からは徐々に選手が落ち始めてくる。一人ずつ捉え、前の集団を追っていく。
前の集団に付いては、「もっと前に行こう!」と集団から1人離れ、前を追う。
最高に気持ちが良い!

15キロ通過、56分09秒。

流石にきつくなってきたけど、もう、スピードを落とす理由は何もない。
崩れそうになるフォームを立て直し、落ち着いて自分に問いかける。

「あと6キロ、行けるな?」
「行ける。一瞬で終わるよ。」
「苦しいのはたった20分。ここで頑張らなければ何日間も苦しいだろ?」

しかし、苦しいことに変わりは無い。
19キロ、3分53秒。
20キロ、3分52秒。

ついに50秒を切れなくなり、何人かの選手に抜かされた。
そのうちの1人が抜きながら言った。

「Keep going! 80分切れるぞ!頑張れ!」

最後の力を振り絞り、必死で体を前に運ぶ。
フェニッシュ地点の電光掲示板は19分台を示していた。
もう、なりふり構わず、頭を振りながらゴール。電光掲示板で1時間19分50秒台。

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約5000人中、65位でのフェニッシュでした。
ちょい後ろからスタートしたのでネットタイムでの順位は少し上がると思います。

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※ガーミンコーチはちょっと誤差があったようです。

ゴール後に僕を励ましてくれた人と握手して、お互いの頑張りを称えあった。
嬉しかったなあ。

一年後ぐらいにはこのぐらいのタイムで走れるだろう、とは考えていたけど、まさか、今日80分を切れるとは思っていなかった。
自分のトレーニング方法にも自信を持てた。
いつもトレーニングを終えても、「学生時代の部活動と比べたら、全く追い込めてないなあ。でも年齢が年齢だからこのぐらいでもしょうがないかなあ。故障したら元も子もないし、まーいいかあ。」っていうような中途半端な気持ちになることが多かった。
でも、きっと、素人ランナーとしてはけっこうしっかり追い込めていたんだと思う。
だって2ヶ月でこんなに速くなったんだもん。
頑張ったんだ、って胸を張ろう。

チッペも初レースにして1時間40分(ネット)の好走。楽しんでくれたようです。

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からの、肉!

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それからコーヒー買って、充実感に溢れたお部屋でこのブログ書いてます。

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Author:pecoma
こんにちは!
いつも笑顔のペコマです!

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